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有料サイト「架空請求詐欺」を防ぐ方法! 最前線で戦う警視庁担当官が指南

[週刊大衆2016年10月03日号]

有料サイト「架空請求詐欺」を防ぐ方法! 最前線で戦う警視庁担当官が指南

 誰もが持つ「ひょっとしたら」という小さな疑いがいつしか巨大な被害へと育つ。卑劣な犯罪に立ち向かう手段とは?

<有料サイト『××××』の利用料金が未納になっています。ただちに入金してください。確認できない場合、利用規約に基づき氏名、生年月日、住所、勤務先等を調査し、調査費と延滞料金を合わせて請求します> ある日突然、自分の携帯電話にこんなメールが届き、数万円の利用料金を請求される。身に覚えがない。いや、ひょっとして……。と、実際には見てもいないサイトの利用料金を無差別にメールで請求するのが、架空請求詐欺だ。

 スマートフォンやパソコンでネット上をさまよっていると、気がつくとセクシーな画像を見ていた。そんな経験は誰にでもあるが、ちょっとした引け目につけ込むのが、詐欺集団の手口。島根県では、今年6月に60代男性が実に約2225万円の被害に遭った。この男性に届いた<有料サイトの利用料が未納>というメールが、すべての始まりだった。

 記載されていた番号に電話すると、リサーチ会社を名乗る男に支払い金額を指示され、3回にわたり計約445万円を支払った。さらに続けて「他にも未納分があり、裁判前に全財産を預けたほうがよい」と言われ、2回にわたって計1780万円を、今度は法律事務所職員を名乗る男らに手渡してしまったのだ。

「昔は成人向けなどの有料サイトはパソコンを経由するものが多く、利用者も限られていました。ところが、現在はスマートフォンが普及し、アクセスが非常に簡単になった。それだけに、誰でも“料金が未納だ”と言われれば、もしや、と思い当たる状況になっている。誰もが被害者になりうるんです」 こう解説するのは、警視庁犯罪抑止対策本部特殊詐欺対策担当管理官の芝山賢一警視。

 今回、本誌は最前線で戦う管理官に、恐怖の架空請求詐欺の実態と対策について取材した。警視庁特殊詐欺対策本部が作成した「平成28年上半期における特殊詐欺の状況について」によれば、他の架空請求(金融商品取引)の認知件数が軒並み減っている中、今年上期63件(前年同期49件)と唯一増えているのが、成人向けをはじめとする有料サイト利用料を請求する犯罪。被害者の80%以上が50代以下となっている。

「9月4日までの手集計分も含めた被害状況を見ると、93件中55件と、実は女性の被害者のほうが多くなっている。男性以上に恥ずかしいと感じ、なかなか相談できない、というケースが多いと思われます」(前出の芝山警視=以下同)

 実際、8月9日には静岡県で39歳のパート従業員の女性が現金約400万円を奪われたと、警察署に届け出ている。6月に有料サイトの利用状況を確認するための電話を促すメールが携帯電話に届いた。女性が連絡を入れると「料金が滞納状態になっている。現金を送って」と言われ、女性はコンビニエンスストアから、指定された現金約400万円を指定された関東地方の住所に郵送したという。

「前出の警視庁の資料では93件中、(5)100万円以上の被害に遭ったケースが26件もあります」 象徴的なのが、1000万円近い被害額となった都内在住の50代自営業男性・A氏の場合だ。始まりはA氏の携帯電話に、あるメールが届いたこと。見ると「有料サイトの料金が未納なので10万円払え」という内容だったという。

「被害者の方に未払いの明らかな認識はなかったものの、成人向けのサイトを覗いたことはあったので、メールに記載された連絡先にとりあえず電話した。すると、電話先で対応した相手は“このままでは大変なことになる”と、言葉巧みに誘導したのです」

 その結果、A氏は相手の要求通りに10万円を支払ってしまった。その数日後、新たに連絡があり「他にも未払いのサイトが3社あった」と、さらに20万円を請求されたという。電話の際、相手は「○△×の債権回収センター」などと、誰もが聞いたことがある大手サイトの名前をかたるケースも多い。A氏が20万円を支払うと、たたみかけるように3度目の請求が。今度の内容は「アメリカで開設しているサイトの会社に裁判を起された。日本で裁判をやるには供託金が350万円必要になる」というもの。これもA氏が支払ったところ、請求は止まるどころか、続けて4回目が! 今度は「あなたの資産が裁判のため凍結される。凍結を逃れるために、資産の半分は、うちの貸金庫に預けたほうがいい」という旨の電話があり、A氏は400万円を渡したという。

「実は3回目の後に、弁護士を名乗る電話があり、親切心を装って、被害者の方は資産はどのぐらいあるか尋ねられたそうです。そこで、被害者は800万円と答えていました」 その後、5度目に「残りの400万円も預けて」と連絡があったところで、ようやくA氏は家族に相談。騙されている、と諭されて警察に通報した。このケースでは騙されているフリを続けての「現場設定検挙」で、400万円を受け取りにやって来たバイク便業者に化けた“受け子”は御用となった。しかし、約780万円もの金は一銭も戻ってこなかったというのだ。

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