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小池百合子都知事が斬り込む「豊洲新市場の闇」

[週刊大衆2016年10月10日号]

小池百合子都知事が斬り込む「豊洲新市場の闇」

 甘い汁を吸う“悪党”がのさばる中、きついシワ寄せはどんどん現場へ……衝撃の連続! 怒りの驚愕ルポルタージュ!!

 台風16号が日本列島を横断中の9月20日、豊洲新市場(東京都江東区)周辺では、無線付きヘルメットをかぶった警備員が厳重に警戒に当たっていた――。時折、激しく雨が降る中、一目でマスコミ関係者と分かる姿もチラホラ。新市場の正門前では、外国のテレビクルーがカメラを回していた。話を聞くと、「“世界のツキジ(築地)”が新市場に移転するというので取材に来ました。ツキジのような大きな市場が移転する際、どんなことが起きるのか興味がある。もちろん、新市場で土壌汚染が問題になっていることも知っています」

 世界が注目する築地市場の豊洲移転。そこへ待ったをかけたのが、ご存じ、小池百合子東京都知事。「豊洲新市場の闇」に斬り込んだのである。「去る8月31日、小池氏は、11月7日に予定されていた移転の延期を発表。続いて、9月10日に会見を開き、豊洲新市場の一部の建物で、土壌汚染対策としてやるべもどき“盛り土”がなされていなかったことを明らかにしました。コストを下げるため、建物下にコンクリート構造物(いわゆる地下空間)を設ける形でゴマカシていたわけです」(全国紙政治部記者)

 都の隠蔽体質を白日の下に晒した“小池劇場”。小池都知事は“パンドラの箱”を開け、過去の都政が放ってきた“闇”を今、掘り起こしているのだ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。

「盛り土をせず、地下空間で対応することを決めたのは、石原慎太郎都政の時代のこと。当時、石原氏の肝煎りで始めた『新銀行東京』が経営破綻し、1400億円もの血税を注ぎ込むことへの批判が沸き起こっていました。そこに、豊洲新市場で盛り土をするべく、さらに1000億円を投入するとなれば、批判はより大きくなる。そこで、石原氏のブレーンが動き、今の形になったようです」

 あまりに杜撰な帳尻合わせに開いた口が塞がらない。こればかりでなく、聞けば聞くほど、「不都合な真実」ばかりなのだ。「元をたどれば、豊洲への市場移転の裏には、この数十年で地価が爆発的に上昇した築地市場を売却すれば、その差益で、都財政をいくぶんプラスにできるという石原元都知事の考えがありました」(民放局ディレクター)

 付言すれば、豊洲がこれだけ問題だらけなのは、2020年の東京五輪の影響も。とにかく時間がないと、大会組織委員会の森喜朗会長が小池氏をせっつくのにはワケがあるのだ。「移転を急かすのは、“オリンピック道路”と呼ばれる“環状2号線”の虎ノ門-豊洲間が未開通で、その間に築地市場があるから。築地の地下にトンネルを掘れば、虎ノ門-豊洲間を開通できるため、一刻も早く業者に出て行ってもらおうと、強引に移転を推し進めてきたのです」(都議会関係者)

 だが、取材を進めれば進めるほど明らかになるのは、都の“見切り発車”ぶり。長年にわたり築地市場移転計画を取材している『日刊食料新聞』の木村岳氏は、「“11月7日移転”と言っていましたが、今の今になっても、卸業者や仲卸業者が支払う使用料が、家賃などを除き、決まってない部分が多々あります」 小池氏がストップを言わずとも、ここから約1か月での移転は無理だったのでは? 築地のある仲卸業者は、こう憤る。

「新市場では、光熱費がいくらなのか、基準さえ教えてもらえていません。移転後“後出し”で、業者に使用料を知らせる腹なんじゃないですかね。いくら吹っかけられても、こっちは文句も言えませんから」 悪意の有無は分からないが、時間がなく、てんてこ舞いなのは事実だろう。設備も設計も、とにかくムチャクチャだ。

 築地市場の仲卸業者で、東京中央市場労働組合の執行委員長を務める中澤誠氏は、こう語る。「新市場では、売り場の電源用コンセントが、床に取りつけられていたんですよ。水産物を取り扱う場所で、水槽の水を流す必要があるのに、床にコンセントがあれば漏電します。最近ようやく、コンセントを上部につけ替えたようですが……不備を挙げればキリがありません」

 現場の意見を無視して、トップダウンで進められた豊洲新市場の造成。店舗内があまりに狭すぎて、マグロが捌けないという問題も浮上した。「マグロの包丁は、長さ約1メートルほど。対して、店の横幅は約1.5メートル。包丁を引くと、後ろの壁に肘が当たってしまうんです」(別の仲卸業者)

 また、新市場では、トラックからの荷卸しも不便極まりないという。「築地では、トラックを店舗へ横づけし、側面から一気に荷卸しています。しかし、豊洲の場合、トラックはバックでつけるしかない設計で、荷下ろしに手間も時間もかかります。そのうえ、トラックの駐車スペースも少ないんです。市場内で荷下ろしできないトラックが順番待ちして“渋滞”を引き起こしかねない状態なんです」(前同)

 より初歩的な設計ミスもある。前出の中澤氏が、こう指摘する。「信じられないことに、スプリンクラーが備えつけられていませんでした」 続けて、「生鮮品にとって不可欠な氷の売り場が、ある棟では、11月7日の開場までに開設できないことも判明しています。都では“これから冬になれば、寒くなるし大丈夫”と言ってるようですが、いい加減過ぎます」 すべては、食の安全や業者の利便性より、移転を最優先させた結果だろう。

次ページ >> 鉄骨が崩落する大事故も!豊洲新市場「手抜き工事」の実態

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