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ビートたけしが提唱する「毒ガス老人対策」の代償 vol.02

[週刊大衆12月16日号]

長生きするだけが人生ではない。老いさらばえてまで生きていたくはないと考える人も多いだろう。
たけしは、そういった高齢者へも目を向ける。
「介護保険じゃなく、ボケたと判断された場合にポックリ死ねるサービスを提供する〈ポックリ保険〉の商品化提案です」(前同)と、その舌鋒は冴え渡るばかりなのだ。

そこに、「よしなさいよ。あんたも生きてりゃ、いずれは100歳になるんだから」と、たけしの毒ガスに名調子でツッコミを入れるのは、誰あろうツービートでたけしの相方を務めたビートきよし師匠、その人だ。

思えばツービート時代の漫才の中にも、「グラッときたら火をつけて、バアさん縛って、さあ逃げよう」「赤信号、バアさん盾に渡りましょう」など、【老人いじめ】とも取れる過激なネタが多く、時に批判も浴びていたもの。
「客からのクレームもスゴかったんだよ。漫才やってるときに、【ふざけんな!】って、客がステージまで上がってきて、殴られそうになったことが何度もあるんだから」(きよし師匠)

しかし、これが当の高齢者たちには、大いにウケていたという。
「相棒は破天荒だけど、天才だからね。漫才にもネタの一つひとつにも愛があったから、最後は客も納得しちゃうんだよ」(前同)

オフィス北野の森昌行社長も、当時のたけしの漫才を振り返って、こう語る。
「たとえば夏の暑い日に腰の曲がったお婆ちゃんが横断歩道をゆっくり渡ってると、"大変だな"と思いながらも、つい"こんな日は家でおとなしくしてろよ"と心でつぶやいてしまう。そんな気持ちにも似て、ちゃんと老人に対する敬意があり、どこか贖罪意識も持ち合わせながらの"老人いじめ"だったから受け入れられたんだと思います」

そんなたけしも御年66歳。
自身も高齢者の仲間入りを果たしたうえ、当時とは高齢者を取り巻く環境、問題の深刻度は高まるばかりだからこそ、高齢化社会について語る機会が増えているのは、ごく自然のことなのかもしれない。
「特に今年に入ってから、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で高齢化問題を取り上げる機会が極端に多くなってきていますね」(テレビ誌記者)

こうしたたけしの心境を、前出・きよし師匠が推察して言う。
「自分自身が高齢者になったから、今度は、同じ世代のファンに恩返ししたいんじゃないかなぁ。あとは総理大臣にでもなって、まずは年金改革をやってもらいたいね。ついでに漫才をやっていたヤツには、ちょっと色をつけてもらえるように(笑)」

きよし師匠は"たけし首相待望論"をブチ上げるのだが、いまの政治家より、よっぽど頼りになるのは間違いないだろう。
「老人問題の現実は、深刻だったり悲しい側面がどうしても存在します。それを直接見せるというやり方もありますが、ビートたけしは"笑い飛ばすしかない"と思っている。これは彼なりの現実の直視の仕方で、(辛辣な言葉も)光の当て方の違いに過ぎないんですよ」(前出・森社長)

たけしの"毒ガス老人対策"で大いに笑ったあとは、我々も高齢化問題について改めて真剣に考えるべきなのだろう。

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