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三浦カズ歳45「不屈のゴッドファーザー伝説30年」 vol.1

[週刊大衆10月15日号]

11月1日からタイで開催されるフットサルW杯の日本代表候補メンバーを見て、あっと驚いた方も多かったのではないだろうか。候補選手の中に、あの"キング・カズ"こと三浦知良(45)が選ばれていたのである。

1993年のJリーグ開幕時からカズを見続けているスポーツライターの戸塚啓氏は、9月24~26日で行なわれた名古屋市内での強化合宿を取材したという。
「フットサルは戦術的要素が強く、アメフトのように、決め事がかなりあるスポーツなんです。カズさんも、"コーナーキックのセットプレーだけでも覚えるのが10個以上、守備では20個以上のパターンを映像で見たかな。大変だよ"と苦笑していました。とはいいつつ表情は、その苦労さえも楽しみにしている感じでした。"僕はナチュラルにやるよ!"って、明るく話していましたよ」と、W杯本番に向けて、プレーと心の準備が着々と進んでいるようだ。

今回の選出について、「45歳のカズが"畑違い"のフットサルなどできるはずがない。客寄せパンダで呼ばれただけ」という声もあるのだが、とにもかくにも、その人気は絶大だ。
練習場にはファンが作った「KINGの魂を世界へ」の垂れ幕が掲げられ、これまで報道対応の広報すら不在だった合宿に、テレビカメラ9台、総勢68人もの取材陣が集まったのだ。
「カズ効果に触発され、フジテレビも急遽、本戦の放送をCSから地上波に変更しました」(専門誌記者)

プレーはもちろんだが、彼の人気にあやかって、日本のフットサルを、さらにワンランク上のステージに高めたいというのが、協会サイドの本音だろう。カズの人気ぶりは当然、所属する横浜FCでも、とてつもないものだ。
「7月22日のホーム、ニッパツ三ツ沢競技場でのガイナーレ鳥取戦では、試合途中から、鳥取サポーターからも"カズを出せ~"というコールが起こったんです。後半30分頃、カズがピッチに立つと、観客全員が立ち上がり、皆が、"カズにパスを出せ!"と、声を上げていましたよ」(前同)

サッカーのスタジアムの光景としては、ある種、異様なものだが、現場を訪れた人は、とにかく彼のプレーが観たいのだ。こんなカズ人気は、ファンだけにとどまらない。

香川、長友、内田、吉田……といった、いまや欧州のクラブで活躍する日本代表の面々が帰国時に、カズを囲んで食事をする"カズ会"を催しているのだ。
「彼らにとっても、カズさんは憧れの対象。だから、会ではもっぱら彼らが、"カズさんが戦っていた頃はどうだったんですか?"と質問するそうです。でも、カズさんはひと通り答えて、"それで、いまはどんな感じなの?"って返すそうですよ」(前出・戸塚氏)

カズのこうした人望や人気は、彼がサッカー界における"初めてづくしのパイオニア"だったこともある。ブラジルに単身渡航したのは、まだ15歳のとき。それはサッカー留学の草分けだった。その後、メキメキ頭角を現わし、90年には、かつて"王様"ペレもプレーした名門サントスFCでレギュラーを奪取した。

同年、カズは「日本をW杯に出場させたい」といって帰国し、読売サッカークラブ(現・東京ヴェルディ1969)に移籍する。ここでチームの黄金期を築き、自身もJリーグ初代MVPなど数々の栄冠を獲得した。
「94年にイタリア・セリエAのジェノアに期限付き移籍をしたんですが、セリエAに入団したのは、日本人どころかアジア人でも初でした」(スポーツ紙記者)

日本代表を世界と戦えるレベルにまで引き上げたのも、彼の功績だろう。
「92年のアジアカップでは優勝の立役者になり、グループリーグ最終戦のイラン戦では、後半終了間際に決勝ゴールを決め、"魂込めました、脚に"という有名なコメントで日本中を沸かせました。93年のアメリカW杯アジア最終予選では、高い壁だった韓国戦で決勝ゴールを決めています。彼は、ここぞというときに得点できるストライカー。カズさんが伝説になったのは、こうした勝負強さもあったからでしょう」(サッカーライター・吉崎エイジーニョ氏)

カズの歩みは、まさに90年代からの"日本サッカー高度成長期"そのものといえる。だが、彼自身の"最大の夢"は果たせないままに終わりそうなのだ。

アメリカW杯(94年)は、"ドーハの悲劇"で本戦出場が霧消し、フランスW杯(98年)は、チームは本戦出場を果たしたが、自身は本大会直前で"落選"してしまった。02年日韓W杯は、トルシエ監督から"代表スタッフとしての帯同"をオファーされたが、"選手としての参加"を望んだカズは要請を断わっている。
「W杯のために日本に帰国し、誰よりもW杯に出たかったカズさんは、結局、一度も本戦のピッチに立てていない。これも"カズ伝説"のひとつになっているんでしょうね」(前同)

10月11日公開のvol.2に続く・・・。

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