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【新連載●第一回目】3000勝超えの”天才ジョッキー”からの金言

初めまして、武豊です。秋のGⅠ戦線が始まる時期に満を持して、新連載『勝負師の作法』をスタートすることになりました。

今週、僕が騎乗する予定のレースは9月30日、中山競馬場で行なわれるGⅠ「スプリンターズS」(芝1200m)です。

GⅠに格上げとなった1990年以降、僕の成績は10回騎乗して1着2回、2着3回、3着2回で連対率は5割。競馬は終わってみなければわかりませんが、いいイメージを持って臨めそうなレースです。

今年、このレースで僕のパートナーを務めてくれるのは、石坂正厩舎のエピセアローム(牝3)。前哨戦となった9月9日のGⅡ「セントウルS」(芝1200㍍)を快勝した、女の子から大人の女性へと変身中のニューヒロインです。2枠4番という絶好枠、52㌔という斤量、インで脚を溜め、直線で強襲するという作戦がズバリ当たったことなど、勝因はたくさんありました。

しかし、それ以上に、最後の最後に1番人気のロードカナロアを差し切った斬れ味は、乗っていてワクワクするものがありました。石坂先生とは、このレース後に、次走を決めましょうという話をしていたのですが、強い馬を負かした以上、次も挑戦あるのみです。GⅠの勲章を手にするためには、枠順や天候など、運を味方につけられるかどうかが重要になります。次も上手にスタートが切れるのかという不安要素もありますが、いまの彼女は勢いに乗っています。どうか期待していてください。


【人間と同じように馬にも個性がある】

87年にデビューして、気がつくと今年で25年目。レースによっては僕が最年長ということもあります。初勝利は87年3月7日の阪神第3Rのダイナビショップ。GⅠ初勝利は、デビュー2年目、88年の菊花賞(スーパークリーク)。これまで本当に多くの名馬と出逢い、競馬の難しさ、面白さを味わってきました。90年、第1回「スプリンターズS」の優勝馬・バンブーメモリーも、その中の一頭です。

父・武邦彦が管理していた彼は、距離に関係なく、スタートからゴールまで、とにかく一生懸命に走る馬でした。器用さはゼロ。直線を向くまで、どうやってなだめるかだけに神経を集中していた記憶があります。そこに100人いれば、100の個性があるように、馬にも個性があります。重要なのは、それを、どうやって活かすかです。我慢して、我慢して、直線で馬群を割って抜け出してきたときのあの快感は、いまも忘れることができません。父とのコンビで勝ち取った初の栄冠……


バンブーメモリーは、デビュー4年目の僕に我慢の大切さを教えてくれた名馬でした。

【新連載●第一回目】3000勝超えの”天才ジョッキー”からの金言

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