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連載●第4回 重圧をはねのけて“無敗三冠”

勝負が大きくなればなるほど、感じるプレッシャーも大きくなります。勝負を前にしたときは、サラリーマンも騎手も関係ないし、男も女も同じです。

 感じていないフリはできますが、抵抗すればするほど大きくなるのが、このプレッシャーという奴です。

 では、どうやったら、このプレッシャーを克服できるのか?

僕の場合は、レース前日から、いいイメージ……真っ先にゴール板を駆け抜けるイメージを頭に描くようにしています。

 失敗したらどうしようとか、負けたらみっともないという負のイメージが先に立った時点で重圧に負けてる証拠。気負うのは当たり前。慌てず、騒がず、できれば笑みを浮かべる感じで大勝負に臨んでください。

 とはいっても僕も人の子です。プレッシャーで体が、ガチガチになったこともありました。

 初めてオグリキャップの調教に乗った日は、栗東トレセン始まって以来というマスコミの多さに、「ケガでもさせたら大変だぞ」と変な汗を流したし、人気のあるなしにかかわらず、ダービー当日は、いまでも緊張感でいっぱいです。

 そして、もう一つ、ディープインパクトをパートナーに臨んだ三冠レース、05年の「菊花賞」もそのひとつでした。

 あの日、京都競馬場に集まったファンは徹夜組を含め、菊花賞レコードの13万6701人。特別販売された『めざせ三冠? ディープインパクト号弁当』が30分で完売になるなど、その熱気は、いま思い返しても鳥肌が立つほどです。

 僕が感じていたプレッシャーが伝わったのか、それともディープ自身にもプレッシャーがあったのか、いまも謎ですが、いつもはスタートの悪いディープが、あの日に限って最高のスタートを切ってしまいます。

 【結果は2馬身差で見事に三冠達成!】

 前半は、一周目の3~4コーナーを勝負どころと勘違いし、前に前にと行きたがるディープをなだめるのに必死でした。

 位置取りは、レース前には想定していなかった内の6、7番手。力んで走るディープの頭越しに、「まだやディープ、ここはゴールやないんや」と、懸命に話しかけていたことを覚えています。

 結果は2着に2馬身差をつけての優勝。ぶっちぎりでの無敗の三冠達成を期待していたファンの方には申し訳なかったですが、単勝払い戻し100円という大きなプレッシャーに打ち勝って偉業を達成できたことは、いまも大きな勲章として心の中に残っています。
 このディープでも届かなった夢のひとつに、凱旋門賞があります。今年、挑戦したオルフェーヴルも、あと一歩のところで、またしても大きな壁に跳ね返されてしまいました。
 しかし、デビュー当時、はるか彼方にあった勲章も、もう、すぐ手が届くところまで来ています。

  『来年こそ、その場所に辿り着いてみせる』

 この思いがある限り、日本馬はまだまだ強くなるし、僕も成長し続けられると信じています。

連載●第4回 重圧をはねのけて“無敗三冠”

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