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連載●第5回オグリに”作戦勝ち”した天皇賞馬

 1レースから最終レースまで、競馬は出走するすべての馬に勝つチャンスがあります。

 では、勝つために、どうやってレースを組み立てていくのか。

 枠順、展開、自分が騎乗する馬の調子、レース当日の天候、馬場状態……などなど、様々な要素を冷静に分析し、想定の上に想定を重ね、正解を導き出すことが重要です。

 こうやって書くと、なんだか中学で勉強した方程式のようで、「頭が痛くなる」……と嘆く人もいるかもしれませんが、学生時代、勉強が苦手だった僕が楽しくてしょうがないと感じるのですから、勉強と競馬は、根本的に違うものだと思ってください(笑)。

 ライバル馬の存在も重要な要素のひとつです。

 どの馬が勝つのか、まるで予想できないというレースから、2強対決や3強対決、断然の一番人気馬がいるレースまで、実に数多くのパターンがあります。今回は、この中から、この馬に勝てれば……というケースについてお話します。

 デビュー3年目、89年に行なわれた第100回「天皇賞・秋」。このレースで、圧倒的な一番人気に支持されたのは、“芦毛の怪物”オグリキャップでした。対して僕のパートナーは、前年の「菊花賞」を制したスーパークリーク。

 GⅠレースを勝つ馬とはどういう馬なのかを教えてくれた、いまも馬の力を測るとき、その原型となっているスーパーホースです。

 どうやったら、オグリキャップを負かすことができるのか  。

 そこから出発し、考え抜いた末に出した結論は……爆発力を武器にするオグリキャップより前でレースをするということでした。

【最高のスタートでクビ差勝ちを演出】

 このレースで、スーパークリークが入った枠は、大外8枠14番。東京競馬場の芝2000mは、外枠が絶対に不利といわれていましたが、スーパークリークのスタートの上手さを活かせれば、大きなハンディにはならないと考えたのです。

 レースは思い描いていたとおりの展開で、最高のスタートを切ったスーパークリークは、好位3番手から残り500mで先頭へ。最後の直線、「オグリはいつ来る?」とドキドキしながら追い続け、実際、背中にオグリの風圧を感じたときには、冷や汗が滲み出ました。

 それでも、クビ差凌いで見事に優勝。いま思い出しても会心のレースでした。
 この勝利を皮切りに、これまで5度、「天皇賞・秋」を制し、“平成の盾男”という異名までいただいた僕が、今年、コンビを組むのは、西園正都厩舎のサダムパテック(牡4)……の予定です。というのも、10月13日の競馬でスタート直後に落馬し、腰を捻った影響で、この原稿を書くのも激痛をこらえながらという状況に陥っています。

 土曜日は、期待の2歳馬、マジェスティハーツの2戦目、「萩ステークス」が、来週は、待望の「ブリーダーズカップ・ターフ」も控えているので、いまは奇跡的な回復を信じて、出来ることは全部やるつもりです。

連載●第5回オグリに”作戦勝ち”した天皇賞馬

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