日刊大衆TOP 娯楽

連載●第6回 亡きアドマイヤグルーヴに捧ぐ

 大好きだった女の子が、突然、この世を去ってしまいました。
 彼女の名前は……アドマイヤグルーヴ。名牝、エアグルーヴを母に、偉大なる種牡馬、サンデーサイレンスを父に持つ、ちょっと気難しいけど、毎回、乗るのが楽しみな、気品溢れる女の子でした。

 彼女と初めてコンビを組んだのは、02年11月10日のデビュー戦です。超スローペースの競馬だったにもかかわらず折り合いもバッチリで、好位3番手から直線鮮やかに抜け出して快勝。上り3ハロンが33秒9という驚異の末脚は、お母さんを彷彿とさせるものがありました。

 美しい鹿毛と、鼻に白い筋があるのもエアグルーヴと同じです。初めて出逢ったその日、思わず、「おまえ、お母さんにそっくりやなぁ」とつぶやいたのを、昨日のことのように覚えています。

 すべて1番人気で臨んだ牝馬三冠、桜花賞、オークス、秋華賞は、

気性の荒さが災いし、ついに、一度も大きな勲章に手が届きませんでした。それだけに背水の陣で挑んだ、「エリザベス女王杯」を制したときは、最大のライバル、三冠牝馬スティルインラブを負かした喜びと併せ、興奮度はマックス、ゴール直後、派手なガッツポーズを繰り返していました。

 やんちゃな女の子から、大人の女性へと変身した彼女は、「天皇賞・秋」(3着)から、中一週での挑戦となった翌04年の「エリザベス女王杯」も優勝。

 01年のトゥザヴィクトリー、02年のファインモーションに続く連覇で、僕に同一GⅠ4連覇という大きなプレゼントをくれました。

 彼女の通算成績は、21戦して1着8回、2着1回、3着3回。この数字だけを見れば、彼女以上に活躍した馬がたくさんいます。


【いよいよ今週末はBCターフです】


 しかし、勝っても負けても、あれだけたくさんのファンに愛された馬は、そんなに多くはありません。

 そして何よりも僕に、両手では抱えきれないほどたくさんの思い出を残してくれたサラブレッドでした。

 まだ12歳……早すぎる訃報を耳にして、まだ、心の整理がつきませんが、いまはひと言、「お疲れさまでした」という言葉をかけてあげたいと思います。

 今週末、11月4日は、いよいよ、米GⅠ「ブリダーズカップターフ」(サンタアニタパーク競馬場・芝2400m)に挑戦します。パートナーのトレイルブレイザーは、前哨戦となったGⅡ「アロヨセコマイル」(2着)後も順調そのものということですから、日本馬代表として、思い切ったレースができそうです。

 世界中の強豪が集まるこのレースを制するのは簡単なことではありませんが、力勝負ならトレイルブレイザーも負けてはいません。

 気候が温暖で、あまり雨が降らない西海岸というのも、大きなプラス材料です。

 日本で応援してくれるファンや関係者の方に、そして、逝ってしまったアドマイヤグルーヴに、いい報告ができるように、全力で勝利を目指します。

連載●第6回 亡きアドマイヤグルーヴに捧ぐ

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.