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タイムを見て驚いたクロフネの走り

 4コーナーを回って、最後の直線  追い込み馬の馬券を握りしめた方もそうでしょうが、乗っている僕たちも、届くか、届かないかのところで、ヒヤヒヤすることがあります。
「だったら、もっと前で競馬をすればいいのに・・・」
 ギリギリ届かなかった場合、ファンの方や解説者の方は、レース後、こんなセリフを吐きながら口を尖らせているようですが、競馬はそれほど単純なものではありません。
 枠の内外による展開のアヤもあるし、アクシデントに巻き込まれて後方待機を余儀なくされる場合もあれば、最大の武器である一瞬の脚をどこで使うのが最も有効なのかを考え抜き、あえて、後ろから勝負するケースまで、実に様々です。
 厩務員さんや調教師の先生方が努力を積み重ね、最後にそのすべてを委ねられる騎手には、どんなレースであっても勝利の二文字がのしかかっているのです。
 

 馬券を外した悔しさとは意味も重さも違いますが、最後の最後で届かなかった場合、騎手は悔しさで奥歯を?みしめるし、反対に、計ったように差し切ったレースは、心のなかで快哉を叫んでいます。
 01年5月6日。クロフネをパートナーに挑んだGⅠ「NHKマイルカップ」も、最後の直線では、心臓バクバク。ゴールした瞬間、嬉しさのあまり、右手を大きく振り上げてしまうほど興奮するレースでした。
 ゴールデンウイークの真っ只中。あの年、フランスに本拠を置いた僕は、5月1日、フランスのGⅡ「ミュゲ賞」をプラウドウィングスで制覇。日本にとって返し、5日のこどもの日は、ノボジャックをパートナーに、高崎競馬場で行なわれた交流GⅢ「群馬記念」でレコードV! その勢いのまま、NHKマイルカップに参戦していました。

【ゴール板過ぎまでハラハラドキドキ】

 2枠4番。道中は後方待機。脚を溜めたクロフネにGOサインを出したのは最後の直線に入ってからです。このとき、高速馬場を利して逃げ切りをはかるグラスエイコウオーとの差はほかの馬だったら絶望的なほど開いていました。
「間に合うのか!?」
「頼む、間に合ってくれ」
 一完歩ごとに差が詰まっていくのはわかりますが、サイレンススズカやスペシャルウィークとは違い、ストライドが大きいクロフネは、乗っていて、それほどスピードを感じることがなかったため、ゴール板を通過するまで、ハラハラドキドキが続いていました。
 結果は、上がり3ハロン34秒3。NHKマイルカップ史上2番目に速い1分33秒0――乗っていた僕が、一瞬、目を疑うほどのタイムを叩きだしたクロフネの潜在能力に、あらためて驚かされました。
 あれから12年。今年もGⅠ「NHKマイルカップ」がやってきます。この原稿を書いている時点では、まだ乗り馬は確定していませんが、競馬を見るのには最高の季節です。
 家族で、カップルで、男同士でも(笑)、競馬場に足を運んでください。競馬はライブが一番です。

タイムを見て驚いたクロフネの走り

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