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雨にも負けず……が競馬の醍醐味

 競馬はオールシーズンの競技。年末年始を除くと、ほぼ毎日、日本全国、どこかの競馬場でレースが行なわれています。
 春は、満開の桜の下で。夏はうだるような暑さの中で。秋は澄み渡る青空を見上げ。冬は吹きすさぶ寒風に身を縮め、それぞれの四季を肌で感じながら騎乗できるのは、騎手冥利に尽きるというものです。
 もちろん、楽しいことだけではありません。勝ち負けに関係なく、当日の天候によっては厳しい環境の中でレースをすることになります。さすがに台風の直撃や緑の芝を真っ白に覆い尽くすような大雪ともなれば開催が順延されますが、それも年に一度あるか。
 雨天中止もドームもない競馬は、馬も騎手も、ほかのスポーツに比べ、なかなかキツイ環境の中で勝負しているのです。
 

「一番、嫌な季節はいつですか?」
 イベントなどで質問されると答えに窮します。花粉症を発病してからは春が憎いし、勝負服の中で汗がダラダラと滴り落ちる夏も敬遠したいし、風が身を切るような極寒の冬も出来れば遠慮したい(笑)。
 いい出したらきりがありませんが、なかでもキツいのは、前日からの大雨の影響で不良馬場……それも、どろどろに泥濘んだ馬場を前にすると決まって憂鬱な気持ちになります。
「泥んこ馬場のときは、どう対策するのですか?」
 真摯な眼差しに、答えるのが一瞬、恥ずかしくなります。そう。塊になって飛んでくる泥で目が塞がれるのを防ぐため、ゴーグルの上に泥除けを着けるくらいで、あとは何もなし。
 逃げ馬に騎乗するときはまだいいのですが、差し馬の場合は、前を走る馬が跳ね上げる泥で、レース後は顔は真っ黒。惨いときは口の中が泥でじゃりじゃりしています(苦笑)。

★見事な“泳ぎ”で泥馬場を克服した

 あれは、白毛馬のユキチャンをパートナーに挑んだ09年2月25日に行なわれた統一GⅢ「エンブレス杯」(ダ2100㍍)でした。
 スタートでつまづき、泥んこ馬場の中を中団から追走。レースが終わったときには、真っ白な馬体が汚れ、ユキチャンじゃなくてクロチャンに。乗っていても可哀相なほどでした。
 マイネルセレクトとともに挑んだ04年の統一GⅡ「東京盃」(ダ1200㍍)も忘れられません。
 大雨の影響で、コースには水が浮き、まるで競艇場。しかし、6~7番手を追走したマイネルセレクトは、鞍上の僕が驚くほどの力強い泳ぎ(?)で、差し切り勝ちをしてくれました。
 今週末は、ファリダットをパートナーに、中京のメインGⅢ「プロキオンS」(ダート1400㍍)に参戦する予定です。
 出来れば、良馬場で……騎手の誰もが願っていますが、こればかりは、神のみぞ知る。台風が来ないように、梅雨前線が活発にならないように祈るだけです。
 雨で視界を塞がれようが、泥が口の中に入ろうが微動だにしない。レースだけに集中するのも、勝つためには重要なのです。

雨にも負けず……が競馬の醍醐味

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