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騎手をやる上で「経験」は何より貴重

 思わぬところから思わぬレターをいただきました。
「トルコジョッキークラブ国際招待競走」への招待状。ちょっと……いや、かなりワクワクしています。
  えっ? トルコにも競馬があるの?
 そうつぶやいた人は、世界中、すべてのサラブレッドのサイヤーを遡ると、必ず3頭の種牡馬に辿り着くという三大始祖を思い出してください。一頭はダーレーアラビアン。もう一頭はゴドルフィンアラビアン。そして、最後の一頭がバイアリーターク。トルコがその生誕の地です。
 

 7月17日、トルコジョッキークラブ国際招待競走が行われるヴェリフェンディ競馬場は、イスタンブールから車で30分ほど。みなさんが想像している以上に近代的な競馬場……雰囲気としては、香港の競馬場に似ています。
「うん? どうでもいいけど、なんで武豊はそんなにトルコに詳しいんだ?」
「あっ、わかった。昨年、参加した後輩の川田(将雅)騎手に話を聞いたな」
  いえいえ。そうではありません。
 01年に本拠地をフランスに移し、ヨーロッパの競馬に参戦しましたが、その際、トルコの国際招待レースGⅡ「ボスポラC」(芝2400㍍)に騎乗した経験があるのです。

 レース前日、イスタンブールに入った僕は、世界遺産に指定されているトプカプ宮殿を観光。16~17世紀にかけて栄えたオスマン・トルコ帝国の国王が住んでいたという建物と、数々の秘宝・宝石を前にして、ちょっとしたタイムスリップ気分。とても貴重な時間を過ごすことができました。
 それが精神的にプラスに働いたのかもしれません。このときのパートナー、クレイブルック(牡6)は、6頭立ての6番人気でしたが、彼の武器である切れ味に賭けるレースを展開し、最後の直線では、「この手応えなら届く!」というところまで、優勝馬を追い詰めることができました。

 騎手をやっていく上で、この経験は何よりも貴重なものです。
 レースは何が起こるかわかりません。若手騎手が勢いで勝つことだってあります。しかし、ギリギリの状態になればなるほど、この経験が生きてくるのです。
 コース形態。勝負のポイント。どこで馬を抑え、どこでGOサインを出すのか。馬を知り、展開のあやを読み、コースを知っていれば、慌てることはありません。経験値は多ければ多いほどいい。これは読者のみなさんも同じはずです。
 今年のトルコジョッキークラブ国際騎手招待には、僕の他にも、フランキー(ランフランコ・デットーリ)をはじめ、世界中の競馬場で顔を合わせる騎手が参加する予定です。
 ライバルとして、同じ世界選抜チームの仲間として腕を競い合い、しかも、レースによっては、応援なんてこともできるというのは、かなり新鮮な気分です。
 世界中、呼ばれたらどこへでも、ムチと鞍を持って出かけていく  それが武豊の競馬哲学です。

騎手をやる上で「経験」は何より貴重

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