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結果に関係なくレース後にはお礼を

  来年のダービー、いけそうかな?
 オーナー、調教師さん、POGを楽しむファンの皆さんが、2歳馬を見るときの尺度はダービーです。
 ダービーに始まってダービーで終わるのが競馬の一年ですから、これは僕達騎手にとっても同じです。牝馬なら「桜花賞」「オークス」「秋華賞」の牝馬三冠。牡馬なら「皐月賞」「ダービー」「菊花賞」の牡馬三冠……クラシックに出走できるパートナーに巡り会えるかどうかに、大げさではなく、その一年のすべてがかかっているのですから。
 でも、しかし  すべての馬がクラシックに出走できるわけではありません。

「血統的には、もう少し短いところのほうがよさそうだけど……」
「いや、距離は、根性で克服できるから」
「だよね。能力的にはクラシックで十分通用する力を持っているんだから」
 多少のことには目をつぶってでも夢を見たい  。
 その気持ちは僕にもわかります。かなうならば、全馬をクラシックに出してあげたいと思っています。
 それでも……でも、しかし--  です。

 現実はそれほど甘くはありません。
 夢は夢として胸の奥にしまい込み、現実を見る目が必要です。
  ダートだったらすぐにでも勝てるのに。
 またがってみて、初めてわかることがあります。
  1200㍍までなら、チャンスがあるのに。
 実際にレースを走って、わかることもあります。
 そんなときは、できるかぎり自分の言葉で伝えるようにしていますが、思うように伝わらないこともしばしばで……。
 競馬は、最後は馬と馬の競走ですが、その前に、人と人の良好な関係があって、初めてスタートラインに立てる世界なんだと思い知らされます。

 今週末、GⅢ「小倉2歳S」(芝1200㍍)で騎乗するベルカントは、正直、クラシックを夢見るには難しい馬です。でも、短距離なら重賞を勝てるだけの絶対的なスピードがあります。ありすぎて、コントロールするのに苦労させられるほどです(苦笑)。
 彼を管理する後輩の角田晃一調教師も、それは十二分に理解してくれているので、今後の路線に関する会話も実にスムーズです。
「距離は1400までだと思います」
「じゃあ、1200中心で行こうか」
  厩舎スタッフが見ているところでは、僕が敬語を使い、1対1だと逆に向こうが敬語で。なんともおかしな感じですが、これもひとつの礼儀です。
 礼儀といえばもうひとつ。僕が心がけていることがあります。
 先輩、後輩にかかわらず、レース前には、
「お願いします」
 レースを終えたあとは、結果に関係なく、
「ありがとうございました」
 と、心をこめて頭を下げる。

 これが武豊の流儀です。

結果に関係なくレース後にはお礼を

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