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好敵手・トウカイテイオー逝く

名馬がまた一頭、この世を去りました。
“皇帝”シンボリルドルフの最高傑作にして、顕彰馬にも選出されたトウカイテイオー……僕自身は一度も跨ったことはありませんが、その存在は、いつも僕の前に大きな壁として立ち塞がっていました。
 

JRAでの通算成績は12戦9勝。
その中には、無敗のまま制した1991年の「皐月賞」、「ダービー」。92年の「ジャパンカップ」。93年の「有馬記念」と4つのビッグタイトルがあります。
特に、度重なる骨折から不死鳥のように蘇った「有馬記念」は、オグリキャップのラストランとともに、競馬ファンに強烈な印象を残しています。
このレースは、出走全14頭の内、実に8頭がGⅠ馬という豪華な顔ぶれ。1番人気は岡部幸雄騎手のビワハヤヒデ。2番人気は河内洋騎手のレガシーワールド。3番人気は柴田政人騎手のウイニングチケット。
田原成貴騎手が手綱をとるトウカイテイオーは4番人気、僕とベガは6番人気だったと記憶しています。
道中、トウカイテイオーは、10番手を進む僕のすぐ前にいました。
もちろん、注意はしていましたが、トウカイテイオーにとっては、ほぼ一年ぶりのレースです。まさか、直線、あそこまで鮮やかに、力強く抜け出すとは、考えてもいませんでした。
トウカイテイオーと同じレースでしのぎを削ったのは、全部で7レースありました。悔しさを味わったことのほうが多いのですが、ひとつだけ、最初から、
「ライバルはトウカイテイオー!」
と思い定め、見事に完封したのが、92年「天皇賞・春」でした。

このレースで僕がコンビを組んだのは、前年の優勝馬で、最高の友であったメジロマックイーン。マスコミを始め、ファンの方も、トウカイテイオーとの一騎打ちを予想し、“世紀の対決”として大きな話題になっていました。
レース前、「地の果てまで走れそう」という岡部騎手のコメントに対して、僕も敢えて、「あっちが地の果てなら、こっちは天の果てまで昇りますよ」と応酬。対決ムードを盛り上げたことを思い出します。
「ちょっと早いかな」
と思いながら、3コーナー過ぎで先頭に立って。後ろを振り返り、トウカイテイオーの位置を確認。
「いつ、来るんだ?」
「まだ、来るな!」
最後の直線では、もう、ドキドキしながら、懸命に追っていました。

今週末、15日は、キズナとともに、「凱旋門賞」の前哨戦、仏GⅡ「ニエユ賞」に挑みます。
本番と同じコース、同じ距離で走れるここの出来によって、夢への道が見えてきます。
シンボリルドルフが、トウカイテイオーが、幾多の名馬たちが築き上げた歴史の上に立ち、さらに新しい時代のトビラを開くため、すべてを出し尽くして頑張りますので、どうか期待していてください。

好敵手・トウカイテイオー逝く

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