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あえて言葉にする今年の3つの目標

2014年、今年の干支は午。競馬関係者にとっても、ファンのみなさんにとっても、縁起のいい年になりそうです。

騎手になって初めて迎えた午年は、デビュー4年目の90年。スーパークリークで春の天皇賞を、オグリキャップとのコンビで安田記念を、親父・武邦彦厩舎のバンブーメモリーでスプリンターズSを、そして、いまも語り継がれるオグリのラストラン、有馬記念があった年でした。

当時の僕は、武田作十郎厩舎の所属騎手。先生が好きだったワインのコルク抜きと靴磨きが毎日の仕事でした。若い頃の先生は、とても厳しい方だったようで。怒鳴り声が隣の厩舎にまで聞こえたとか、本当に怒ったときは、ムチを持って追いかけまわしたとか……アンカツさんもビックリの武勇伝の持ち主だったようです。
 

もっとも、僕がお世話になっていた頃は、ものすごくやさしいおじいちゃんという感じ。細かいことは何一つ言いません。馬の乗り方に関しても、

「わからないことがあったら河内に聞け」

というのが口ぐせで。絶対に手を抜かない、自分のことを大きくアピールすることもしない、ただやるべきことを淡々とやりぬく騎乗技術から人間性まで、誰もが認めるジョッキー、河内洋さんを兄弟子に持てたことは僕にとっては最高の幸せでした。武田先生と河内さんいまの武豊があるのはこの二人のおかげです。その先生に怒られたのは、デビューして一カ月経った頃のことでした。

阪神競馬場で行われたダート1800mのレース。スタートから競り合った僕は、馬がオーバーペースで走っていることに気がついていませんでした。

「こんな乗り方じゃ、誰もお前を乗せてくれないぞ」

顔を真っ赤にして、こぶしを震わせた先生を見たのは、後にも先にもこの一回だけです。

「技術だけがよくなっても、いい馬乗りにはなれない。みんなから信頼される騎手、誰からも愛される騎手になりなさい」

昨年、GⅠ100勝の記録を達成しましたが、この一つ一つが、いい馬に乗せてもらっているから、馬に勝たせてもらっているからだと思えるのも、武田先生から口を酸っぱくして言われ続けたおかげです。

2014年、数字の目標はありません。

今年もダービーを勝ちたい。
キズナとともに凱旋門賞を制したい。
一つでも多くの勝ち星を挙げたい。
 
あえて言葉にするとしたら、この3つです。

もっと、うまい騎手になれるはずだ。もっと、信頼される騎手にならなくては。もっと、もっと、もっと。この気持ちがあるかぎり、僕はいまだ成長途上。ファンの方にとっては、いま以上に、信頼され愛される騎手に。アンチファンの人にとってはさらに憎らしい武豊を目指して頑張ります。

あえて言葉にする今年の3つの目標

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