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勝ちにいって摑み取る勝利の大切さ

暦はもう3月。あれからもう16年が経つんですね。

あれって!?もしかして……。

そうです。僕に初めてダービージョッキーの称号をプレゼントしてくれた、名馬中の名馬、スペシャルウィークとともに挑んだ「弥生賞」です。97年11月29日のデビュー戦を快勝。サンデーサイレンス特有の気の強さと根性を兼ね備えた彼は、その雰囲気がダンスインザダークにそっくり。見た瞬間に一目惚れ。跨った直後には、「絶対に手放したくない」とまで惚れ込んだ親友です。

ところが、続く2戦目でまさかの2着。「きさらぎ賞」から「弥生賞」、そして、クラシックへという王道のローテーションを思い描いていただけに、かなりのショックでした。このレースに勝ったのは、弟・幸四郎が騎乗していた14番人気のアサヒクリーク。レース後、「きさらぎ賞に出られなくなったらどうするんだ!?」と、どやしつけたことを覚えています(笑)。

その「きさらぎ賞」を勝ち、「ここが勝負!」と心に決めて挑んだのが、第35回の「弥生賞」でした。1番人気は「東京スポーツ杯3歳S」をレコードで勝ち上がってきたキングヘイロー。3番人気は、後に、この年の「皐月賞」と「菊花賞」を制したセイウンスカイ。スペシャルウィークの力を測るには最高のライバルが揃っていました。
 

レースは、そのセイウンスカイが引っ張る形でスタートし、僕とスペシャルウィークは、キングヘイローを視界に置きながら中団後ろに待機。手綱を通して、手応えを感じていました。弥生賞で披露したもう一段上のギアところがです。ペースが落ちるだろうと思っていたセイウンスカイの脚色が4コーナーを回っても一向に衰えません。僕とスペシャルウィークが最後の直線にさしかかったときは、

「さすがに、これはやばいかな……」

とつぶやくほど、はるか前方を走っていました。追い込んだものの、わずかに届かず……。そんな新聞見出しが頭にちらついていたほどです。しかし、ここからがスペシャルウィークでした。ステッキ一発でメインエンジンを点火すると、それまで隠していたもう一段上のギアを自ら入れ、あっという間に5馬身差を詰めると最後は半馬身かわして、ゴール板を1着で駆け抜けていました。

棚ぼた、展開が向いた結果、運が味方した……どんな勝ち方であろうと1勝は1勝。その輝きは少しも色褪せることはありません。ただ、勝ちにいって、実際に摑み取った勝利は、揺るぎない自信と大きな勇気を与えてくれます。

大外18番からの発走で、芝の荒れた外へ外へと振られた「皐月賞」(3着)後も、「弥生賞」で摑んだ彼への信頼は、少しも揺らぐことはありませんでした。強い馬が強い競馬で勝つことが、真の意味で競馬発展に繫がっていくスペシャルウィークとの弥生賞は、そんな僕の想いを体現したレースでした。

勝ちにいって摑み取る勝利の大切さ

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