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イケイケ安倍政権を滅ぼす「消費税の呪い」 vol.01

[週刊大衆03月24日号]

「一つ、二つ……」
夜ごと、井戸の底から聞こえる皿の枚数を数える女性の声。
屋敷中に響き渡る身も毛もよだつ恐ろしいその声はやがて、「八つ、九つ……」
あぁぁ、一枚足りない。

キャー!!
皿を割って自害に追い込まれたお菊が皿を数える怪談話『番町皿屋敷』。
その舞台となった牛込御門五番町から1キロも離れていない永田町で今、"お菊の呪い"ならぬ"消費税の呪い"が囁かれている。
※※
「4月1日、消費税がいよいよ現行の5%から8%へと上がります。安倍首相は、今回の消費増税を"財政破綻(はたん)を回避するためには不可欠"と、不退転の決意です」(全国紙政治部記者)というのも、国の借金=債務残高が1000兆円を超え(13年6月時点)、このままでは財政が破綻すると見られているからだ。

「財政破綻したギリシャの二の舞になりかねないという危機感があります。麻生太郎財務相に至っては、すでに10%への意欲を強く示しているほどです」(前同)

だが、消費増税推進論と同じくらい、増税反対の声も当然ながらある。
安倍首相のブレーンで、アベノミクスの理論的支柱である浜田宏一・米イェール大名誉教授(内閣参与)でさえ、「デフレ脱却の途上である現在、消費増税を実施すれば景気腰折れの懸念がある」と主張している。
外交問題ではイケイケの安倍首相でも、ブレーンからの指摘には耳を傾ける。
「もともと安倍首相は消費増税には慎重でした。浜田教授同様、このタイミングでの消費増税は、景気後退を招くと強く認識していました」(安倍首相に近い自民党中堅議員)

また同時に、「消費増税を敢行した歴代内閣が増税実施後の数カ月、もしくは1年数カ月以内に退陣の憂き目に遭っていることも当然認識しているのでしょう。永田町で流布する"消費税の呪い"に、安倍首相も恐れおののいていたのは事実です」(前同)と言うのだが、今や怖いものナシの安倍首相を恐れさせている怪談、"消費税の呪い"とは、いかなるものなのか?

「消費税が政権の重要課題として浮上したのは、大平正芳内閣(78年12月~80年6月)の時でした。当時の大平首相が"大型間接税"をぶち上げ、総選挙に臨んだのが最初でした」(ベテラン政治記者)
ただし、国民の猛反発を招き、総選挙は惨敗。
次いで中曽根康弘内閣(82年11月~87年11月)が、「売上税」と名を変えて再挑戦するも、これまた失敗。

消費税が日の目を見たのは、竹下登氏が総裁(87年11月~89年6月)になってからだった。
「89年4月、ようようにして消費税3%の導入を実現させました。でも、国民からは大ブーイング。内閣支持率は3・9%まで落ち込み、消費税導入からわずか2カ月後、竹下首相は退陣に追い込まれました」(前同)

永田町で"消費税の呪い"が話題になったのは、橋本龍太郎内閣(96年1月~98年7月)の時だ。
「97年4月、橋本首相が消費税率をそれまでの3%から5%へと引き上げたところ、直後から景気が失速。それに伴って、橋本内閣の支持率も急落。結局は退陣を余儀なくされました」(前出・政治部記者)

橋本元首相が消費税率を引き上げた直後の3カ月、実質経済成長率は一気に3・7%も急降下。
以後、株価下落トレンドを生み出し、現在まで続くデフレのトンネルに突入してしまったのだ。
「後年、橋本元首相は"財務官僚に騙された。アイツらの言いなりになり、経済の実態を十分に把握しないまま消費増税に踏み切り、経済低迷をもたらし、国民に迷惑をかけた"と、周囲に自責の念を漏らしていたそうです」(前同)

この"消費税の呪い"、民主党政権になるや、さらに牙を剥く。
「まずは菅直人首相。10年7月の参院選直前に消費増税構想を発表して惨敗。そのあとを継いだ野田佳彦首相も、消費増税法案を成立させたまではいいが、直後の12年12月の総選挙で国民から手厳しい審判を受け、民主党政権崩壊まで招く最悪の結果となってしまいました」(前出・ベテラン記者)

前出の安倍首相に近い自民党中堅議員が言う。
「首相も"消費税の呪い"は十二分に承知している。"増税が賃金に反映しなければ安倍政権は終わる"とまで思い詰めていた、とも聞いています」

03月22日公開のvol.02に続く・・・。

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