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『たっぷり』をこんなふうに使ってはいけません

 競馬場の帰りに立川末広とレストランに入ったら、メニューに「お肉たっぷりのビーフカレー」と書いてあった。

 これを見て立川末広いわく、
「昔はこういう書き方はしなかったものですよね。たっぷりというのは主観だから。店のほうではたっぷりだと思っていても、客のなかには、どこがたっぷりだよと怒る人だっている。だから、店のほうがたっぷりなんて書くことは、昔はなかったんです」

 それがどうしてこんなふうになったかというと、司会者の影響が大きいと立川末広はいう。司会者が「きょうはたっぷりとお話を伺います」だとか、「このことについてたっぷりお届けします」なんて、普通にいっているからだそうだ。それで世間もたっぷりを同様に使うようになってしまったのだが、本来は間違い。その昔のアナウンサースクールでは、「もう結構です、たっぷりいただきました」はいいが、「いいセットでしょう。お金をたっぷりかけましたから」というのは間違いとハッキリ教えたそうだ。たっぷりは主観で、客観ではないからである。
齢をとった証拠という説も

 そういえば、昔は使わなかったいい回しに「お茶しよう」がある。

 これが「お茶にしよう」なら、小説『坂道』(壺井栄)にも出てくるし、大工の棟梁が「そろそろ、茶にしよう」といっているのを昔から聞いているが、「お茶しよう」などというスカした気持ち悪いいい方は、少なくとも下町じゃあしなかった。立川末広によれば、テレビで女優が多用し、おばさん連中がマネして一遍に広まったのだという。

 こんなふうに、いまの連中はいい方がなっとらんとブツクサいうのは、齢をとった証拠だそうである。そおかもなあと思う。

 実は、立川末広の父親の立川須五六先生に、このことに関する傑作川柳があるのでご紹介します。

「なっとらん」
 いわれたオレが
 いまはいい

『たっぷり』をこんなふうに使ってはいけません

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