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日米同盟の真実 安倍とオバマ「365日間の暗闘記録」 vol.01

[週刊大衆12月30日号]

ニッポン外交が追い詰められている――。
「その典型例が、先般、中国が突然設定した防空識別圏でのオバマ米国の対応でした。中国の横暴に、同盟国・米国が毅然と対応してくれるものと期待していたのが、完全な肩透かしに終わってしまいました」(外務省関係者)

それは突然だった。
11月23日、中国国防相が、東シナ海空域一帯で一方的に防空識別圏を設定したと発表したのだ。
「同空域には、わが国固有の領土・尖閣諸島が含まれており、【すわ、中国が本気で尖閣を獲りにきた!】と、日本中が騒然となりました」(前同)

日中でバッティングする防空識別圏。
同空域で両国のスクランブル戦闘機が激突し、不測の事態発生。
局地戦から日中全面戦争へ――そんな危機感が急速に高まったのだ。

この中国のキナ臭い動きに、米国はヘーゲル国防長官ら政府首脳が即座に強い懸念を示した。

実際、同26日には、グアム米軍基地からB52爆撃機2機が発進し、中国設定の防空識別圏内を悠然と飛行。
中国の野心を、有名無実化する挙に出た。
「その仕上げが、12月初旬のバイデン米副大統領による日中韓3カ国歴訪となるはずでした。これで日本国民の多くが、訪中したバイデン副大統領は習近平中国に強く釘を刺してくれると期待したんですが……」(防衛省関係者)

12月4日、注目のバイデン-習会談が行われたが、期待は見事に裏切られた。
「両者の口からは防空識別圏の"ボの字"さえ公式に出ることはなかったんです。極論すれば、理不尽な中国の蛮行を米国は暗黙のうちに認めるという、信じられない結果でした」(前同)

同盟国ニッポンへの、オバマ米国の明らかな"変節"だった。
実は安倍政権誕生以後、戦後から営々と続いてきた日米同盟に、大きな亀裂が生じているというのだ。
「もともと、自民党の対米カウンターパートナーは一貫して米・共和党でした。共和党政権時には、あの小泉-ブッシュ関係や、古くはロン(レーガン)-ヤス(中曽根)関係に見られたように、蜜月を誇っていました」(ベテラン政治記者)

それが、オバマ民主党政権となるや、大きな溝が生まれた。
「米・民主党は親中派が多く、オバマ大統領もその例には漏れず、アジアは中国に任せるという"米中基軸=G2"が基本的な考え方として底流にあるんです」(前同)

就任早々、親中派のケリー氏を国務長官に据えるなど、オバマ大統領のアジア戦略は一貫していた。
「今年6月、オバマ大統領は訪米した中国の習近平主席をカルフォルニアの別荘に招き、長時間2人だけの首脳会談を設定するなど、親密ぶりは実に顕著です。また、反日発言の続く韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と、5月に米韓首脳会談を行っています」(在米の日本人ジャーナリスト)

対して安倍首相には、ケンもほろろの扱いに終始。
「防空識別圏の一件を見てもわかるように、オバマ大統領にとって日本は俗に言う"下駄の雪"。蹴られても踏まれても、ひっついてくる国の一つくらいにしか思っていないような、つれない仕打ちの数々です」(前同)

2012年末に発足した安倍政権にとって、民主党政権下で揺らいだ日米関係の立て直しが喫緊の課題だった。
「そこで、安倍首相はオバマ大統領に早急なる日米首脳会談を要請しました。ところが、この要請にオバマ大統領は頑として首を縦に振らなかったんです」(全国紙官邸担当記者)

日米首脳会談が実現したのは、安倍政権発足からなんと2カ月も経った2月22日のことだった。

法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁教授が言う。
「ですが、そこでのオバマ米国側の対応は極めて失礼でした。空港に大統領が迎えに来なかったのを手始めに、歓迎晩餐会も開催せず、首脳会談時間はわずか。さらに、会談後の共同記者会見もなし。日本の歴代首相の中でも、これほど冷遇された人はいません」

訪米にあたり、安倍首相は「普天間基地の辺野古移設」「TPP参加」など最大級の手土産を携えたにかかわらず、この仕打ちだったのだ。
「これで、安倍首相は"オバマは自分のことを好いていない"と感じたのか、以後、安倍首相はオバマ大統領の神経を逆撫でするような政策を次々と実行しています」(政治評論家・浅川博忠氏)

その最たるものが、米国への事前通知なく行った5月の"飯島勲内閣官房参与の電撃訪朝"だったという。
安倍首相は、拉致問題は日朝2国間の問題と断じ、独自に北朝鮮との交渉に動いたのだが、これを蚊帳の外に置かれたと受け取った米国政府は、露骨に不快感を見せたのだ。

12月24日公開のvol.02に続く・・・。

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