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日米同盟の真実安倍とオバマ「365日間の暗闘記録」 vol.02

[週刊大衆12月30日号]

以後、両者の関係は悪化の一途を辿り、オバマ大統領は安倍首相を【無視】し続けた。

すでに述べたように、6月に訪米した習主席をオバマ大統領は【最恵国待遇】で迎え入れている。
米中接近に焦燥感を強めた安倍首相は、再び日米首脳会談を要請するが、オバマ大統領は一顧だにしない。

同17日、英国・北アイルランドで開催されたG8(主要8カ国首脳会議)でも、オバマ大統領と安倍首相は同じホテルに滞在したにもかかわらず、同大統領は会談を事実上、拒否している。

そのオバマ大統領に変化が見られたのは、9月に入ってからだった。
当時、同大統領はシリア政府の化学兵器使用を巡り、アサド政権への限定的軍事行動に踏み切る構えを見せていた。

ところが、このオバマ戦闘宣言に、まず頼みの英国が共闘から降り、フランスも距離を置いた。ドイツやイタリアに至っては明確に反対を表明。
さらには米国内の世論も反対一色と、オバマ大統領は四面楚歌に置かれてしまったのだ。

国際問題評論家の小関哲哉氏が言う。
「(シリア政府への)武力行使も辞さずと宣言していたのに、結果的にはできなかった。これは、世界最大の軍事国家である米国の大統領にとって、前代未聞の大失態です」

そこで、オバマ大統領は安倍ニッポンに最後の望みをかけたのだ。
「それが、9月3日のオバマ大統領から安倍首相への支持念押し電話でした。ところが、ここで安倍首相は"安保理決議を得る努力をしていただきたい"と、思わぬ逆襲に出たんです」(前出・官邸担当記者)

シリア攻撃には安保理5大国のうち、ロシアと中国が反対。
ロシアのプーチン大統領は米国の武力行使を牽制し、「外交的・政治的に和解の道を求めるべき」と発言し、安部首相も同調してみせた。

オバマ大統領への"安倍提案"が実現不可能なことは明白だった。
「今回のシリア問題では、結果的にプーチン大統領の仲介があってアメリカは助かりました。さらにオバマ大統領は、議会の承認が必要だと、自分の責任を転嫁してしまった。これでは国民から見放され、国際外交上、アメリカの求心力の低下は明白です」(前出・小関氏)

不安に駆られたオバマ大統領は、2日後のロシア・サンクトペテルブルグでのG20サミットで、大統領自らが安倍首相に首脳会談を呼びかけた。

ここでオバマ大統領は、通常なら30分程度の首脳会談に倍の時間を割き、シリア攻撃への日本の支持表明を促した。
熱心な話し合いをしつつも、安倍首相は明確な言質は与えなかった。
「後日、オバマ大統領は、同会談での安倍首相を評して"アベの印象が変わった"と、側近のライス補佐官に好感触を漏らすなど、安倍首相への評価は変わったと見られたんです」(自民党幹部)

だが、"甘い生活"は1カ月と続かなかった。
9月26日、訪米して国連総会で一般討論演説を行う安倍首相の予定欄に、オバマ大統領との会談が組まれていなかったのだ。
「日本の首脳が国連総会に出席した際には、米大統領と会談するのが慣例です。実際、オバマ大統領は国連総会出席に合わせて、野田佳彦・前首相や菅直人、鳩山由紀夫両元首相と会談しています。それなのに、です」(前同)

後日、安倍首相はこの手のひら返しに、「オバマってのは、冷たい男だなぁ」と側近に漏らしたという。
「オバマ大統領は、冷酷な合理主義者として知られており、会うメリットのない人物に社交辞令で面会することはほとんどなく、安倍首相への対応もそれに沿ったものだと見られています。ただ、根底にはリベラリストのオバマ大統領が、リベラルライト、一説には極右と思い込んでいたとも言われますが、安倍首相を個人的に毛嫌いしていたのが最大の理由では、と囁かれています」(前出・ベテラン政治記者)

これまでも、安倍総理の考える"この国のあり方"に対し、オバマ大統領は疑問を投げかけてきた。
たとえば日本の集団的自衛権行使の容認に難色を示し、竹島問題に至っては、「(日韓の)どちら側でもない。私たちが願うのは両国がうまく解決することだ」という、突き放した姿勢を崩さなかったのだ。
「一見、公正中立の立場を取っているように見えますが、米国の基本的対日戦略は"日本の自主防衛、自主独立を認めない"で、戦後一貫しています。一方、安倍首相の謳い文句は"戦後レジームからの脱却"。オバマ民主党は、そこに"反米"の匂いを感じ取って警戒していると思われます」(前同)

12月25日公開のvol.03に続く・・・。

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