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映画『永遠の0(ゼロ)』公開直前specialワイド「奇跡の戦闘機」零戦かく戦えり! vol.03

[週刊大衆12月30日号]

無類の強さを誇ったゼロ戦だが、敵機以外にも【もう一つの敵】がいたことはあまり知られていない。

本田氏への取材を重ねた前述書の著者である軍事ジャーナリストの井上和彦氏が解説する。
「意外に思われるかもしれませんが、睡魔です。特にガダルカナルの戦いでは、往復8時間連続で操縦しなければなりません。特に、空戦を終えて帰る復路ではどっと疲れが出て眠くなるわけです」

こうした睡魔によって、急にフラフラしたかと思うと、海に真っ逆さまに落ちてしまう機もあったという。
「現代のように自動操縦がなく、ずっと操縦桿を握る体力と精神力は並大抵ではありません。パイロットたちは、体の至るところをつねったり、先の鋭い工具などで皮膚に刺激を与えたりして、眠気を散らし続けていたそうです」(前同)

また、エンジントラブルなどで海面へ不時着して、"第2の敵"に襲われるケースもあったようだ。
「サメです。実際、本田氏も着水したゼロ戦にサメが群がっているのを発見し、パイロットを助けるためにサメに向けて機銃掃射したそうです」(同)

さらに本田氏は、ゼロ戦の防御の薄さも体感している。
F4Fとの死闘中、後方から12・7ミリ機銃を撃たれたところ、弾が自らの肩をかすめて操縦席の床をブチ抜いたというのだ。
床には10センチほどの穴があき、「その穴から海が見えて、吸い込まれそうで怖かった」と言う。

「本田氏はゼロ戦での空中戦を"浴衣で戦うようなもの"と例えて、初めて紫電改(新鋭戦闘機)に乗ったときに、"これで死ぬことはない"と思ったそうです」(前出・井上氏)

いかに高性能とはいえ、油断すれば一寸先は死。
パイロットたちは、まさしく死線を駆け巡っていたのだ。

12月26日公開のvol.04に続く・・・。

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