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【武豊】前哨戦でも完勝するのが本当に強い馬

寒波と大雪に見舞われた今年の冬も、気がつくと3月の半ば。テレビでは桜の開花情報が流れ出し、僕の鼻も花粉症でムズムズ。春はもうすぐそこまで来ています。

スポーツの世界に目を向けると、Jリーグはすでにスタート、プロ野球も28日に2014年のペナントレースが幕を開け、競馬は4月からいよいよ、春のGⅠシリーズに突入します。

シーズンの優勝を目指して、長期的な戦略を立てて日々を戦っていく野球やサッカーと違い、競馬は春と秋のGⅠ制覇が最大目標。基本は、馬のコンディションと相談しながらになりますが、各陣営ともに、目標とするGⅠレースに向け、いかにしてステップレースを乗り切っていくか。神経をすり減らす時期に突入しました。

ステップレースで負けても、本番で勝てばいい。

そんな声もあるようですが、強い馬、ファンに支持される馬は、それも許されません。勝って、勝って、勝ち続けることで、また新たなトビラが開く、だから、競馬は面白いのです。

06年、無敗の三冠馬、ディープインパクトとともに挑んだ第54回「阪神大賞典」が、まさにそんなレースでした。前年暮れの「有馬記念」で、ハーツクライに敗れ初の黒星(2着)。「引退するまで、ただの一度も負けたくない」という僕の夢は途切れました。しかし、同じ思いは二度としたくないし、ディープを応援してくれるファンの声援をため息に変えることはできない。そんな強い気持ちで挑んだレースです。

06年の初戦。4日前の最終追い切りで、やや折り合いを欠いたことから、専門家の間では、“ディープ不安説”が流れていました。前日まで降っていた雨の影響で、馬場はディープが初めて経験する稍重。その上、レース開始時には、風速8mを記録する強烈な風のおまけつきです。

しかし、それでもファンの信頼は少しも揺らぐことがありませんでした。

単勝は圧倒的な1番人気で1・1倍。目標はあくまで春の天皇賞ですが、裏切るわけにはいきません。それまで何度もディープの走りをその目で見て、再び、競馬場に足を運んでくれたファンの方。ディープの走りを生で見るのは、これが最初で最後になるかもしれないファンの方……すべての人の思いに応えるように、ディープは、彼の代名詞である飛ぶような走りを披露してくれました。

「どうだ! これがディープの走りだ?」

鞍上の僕も、誇らしくなったのを思い出します。

今週の競馬は3月21日から23日までの3日間開催。21日、中山競馬場で行われるGⅢ「フラワーC」は、チョコレートパインで。23日、GⅡ「阪神大賞典」は、ヒットザターゲットをパートナーにたったひとつの栄冠を目指します。

桜はもう少し先ですが、ぜひ、競馬場に足を運んでください。記憶にも記録にも残るような熱いレースをお見せします。

【武豊】前哨戦でも完勝するのが本当に強い馬

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