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第1回 夢に出た見知らぬソープ嬢


岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー


一口に霊能力者、占い師といっても、得意、不得意な分野はある。死者とは語れても生霊はどうにも手が出ないとか、未来は見通せても失せ物は見つけられないとか。

彼女は普段はOLで、週末だけ繁華街のビルの一角にある占いの館で占い師をしている。
未来などはあまり当てられないけれど、行方不明者、失踪者が生きているか死んでいるか、元気でいるか危ない状態かはすごい的中率なのだそうだ。

先日そんな彼女の元に来た男の相談者は、同棲していて逃げられた女を探していた。

「その男性は、あいつはソープに勤めているに違いないといいました。でも、高級店にいるか大衆店にいるかわからないから、かたっぱしから探せないって。透視してみたら、彼にいわれた通り、すごい整形顔の女性が確かにソープにいるのが見えたんですが。私はソープの高級店と大衆店の違いがよくわかんないんですよ。ただ、彼女が控え室に女達と一緒にいる姿が見えました。下着姿で寝転がって漫画を読んでたって答えたら、相談者は『大衆店だーっ』と叫びました。なんでも高級店は控え室にも監視カメラがあって、ソープ嬢は休憩時間や待機時間でもきちんとした格好で姿勢を正してなきゃいけないんですって」

それから彼は大衆店ばかりを探し回り、彼女を見つけ出したらしい。
御礼の電話がかかってきたという。
ただ気になるのは、やっぱり別れたと彼がいったことだという。

「しばらくして、その女性が私の夢に出てきたんです。絞殺されて海に投げ込まれてました。『あの漫画の続きを読みたかった』なんていってました。あの相談者に殺されたのかどうかはわかりませんが、あれは夢じゃなくて……幽霊、だったのかな。私は占い師であって霊能力者じゃないので、よくわかんないですが」


岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

第1回 夢に出た見知らぬソープ嬢

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