日刊大衆TOP 娯楽

【武豊】平地GⅠ完全制覇まであと1勝

 夢の扉……自分の力でこじ開ける人もいれば、運命的な出会いが、その道を拓き、憧れの舞台に導いてくれることもあります。
 

 個人成績が光を放つ野球やサッカーとは違い、競馬はこの出会いこそが、夢の扉を開ける鍵になるといっても過言ではありません。
 信頼できる調教師の先生とスタッフ、尊敬できるオーナー、そして、友と呼べるパートナー……すべてが揃って、初めてスタートラインに立つことができるのです。
 丸坊主で、教官の先生や先輩たちに怒鳴られる毎日だった競馬学校時代、それでも、夜中、布団にくるまりながら夢見ていた世界への挑戦……そのひとつ、米GⅠケンタッキーダービーの舞台に立ったのは、95年5月6日のことでした。
 ケンタッキーダービーへの参戦は後にも先にも、この一度だけですが、出走馬を迎えてくれる“My Old Kentucky Home(ケンタッキーの我が家)”の大合唱。勝者に贈られる真紅の薔薇のレイは、いま、思い出しても鳥肌が立つほどです。
 このレースで、僕のパートナーを務めてくれたのはスキーキャプテン。調教師は森秀行先生。夢舞台への切符をくれたオーナーは、社台レースホースでした。
 デビュー9年目、この年の7月には、区切りの1000勝を達成し、日本ではそれなりに信頼される騎手になりつつありましたが、海外ではほぼ無名。
 コールされた名前も、YUTAKA TAKEではなくYUTAKA TAKI。タケという発音がいいづらいのでしょうが、米国の競馬ファンにとっては、誰、それ? という感じだったと思います。もっとも、以来、海外ではずっとTAKIのままですが(笑)。
 結果は14着の惨敗。しかし、悔しさも含め、僕のなかでは、あのときの貴重な経験が、その後の武豊の礎のひとつになっています。

【関係者のためにも期待に応えたい!】

 思い返すと、いつも僕の周囲には、僕を支え、励まし、期待をかけてくれる方が大勢いました。「少しでもその期待に応えたい」。その想いが原動力になっていたような気がします。
 真っ白な芦毛の馬体で、僕に夢を運んできてくれたスキーキャプテン。屈腱炎を発症し、わずか6戦で現役を退きましたが、僕にとっては、いまも忘れられない一頭です。
 今週末、12月16日に行なわれるメインレースは、このスキーキャプテンで2着に惜敗したGⅠ「朝日杯フューチュリティS」(芝1600m)です。
 パートナーは、シェイク・モハメド殿下が所有し、西浦勝一先生が管理するティーハーフ(牡2)。
 若干距離が長いような気もしますが、これを勝てば、まだ誰も成し遂げていないJRAの平地全GⅠ完全制覇というおまけ付きです。
 ここまできたら、達成したいというのが本音ですが、それ以上に、僕に期待し、騎乗依頼をくださった方たちの想いに応えるために、全力を尽くします。


 今年のGⅠも残りあと二つ……最後まで武豊らしく。それを貫き通します。

【武豊】平地GⅠ完全制覇まであと1勝

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.