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第3回 欲望が暴走する女たち


岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー


あるAV監督が女優の面接をして主演に決め、まずはパッケージなどの写真を撮った。
そしていざ撮影となったらすごい整形をしてきて、顔も乳も別人になっていたという。

「前の素朴な顔と、可憐な微乳がよかったのになぁ」

この話を、ヌードグラビアも多い週刊誌の記者に話したら、こういわれた。

「昔は、事務所側から女の子に整形を強要するのが主流だったんですが。今は、女の子が勝手に整形してきてしまって事務所が困惑、というのが多くなってます。売りたい、という事務所の思惑より、売れたい、という女の子の欲の方が強くなったんですよ。ただ整形は、一番きれいになったとき、というのが本人の認識と世間の評価が違う場合が多々あるんです。本人的には不満でも、世間はすごい美人になった、と見てくれるようになったところで止めて、あとはメンテナンスだけという状態になれば最上ですが。本人が中毒、依存症になったらヤバいですね。世間の人からは異形、怖いと思わるようになってしまっているのに、本人だけはどんどん美人になっていくつもりで、まだやる、なんてことになったら仕事もなくなるし、事務所も面倒見切れなくなってしまいます。乳の詰め物が破裂した子、鼻の先が腐った子、みんな田舎に帰りました」

そして先日、歌舞伎町のある喫茶店に行ったら。隣の席で男がこんな電話をしていた。

「あの子、整形しまくって顔が変わっても性格は変わらないんですよ。ただ、男が変わると性格もがらりと変わってしまうんです。というより、別人になってしまうんです。ですからその~、撮影の途中でいきなり霊に憑かれたと暴れ出したのも、今付き合っている男が霊感を売り物にした芸人だからでして……」

なぜか、彼の電話の相手はあのAV監督のような気がしてならなかった。

 

 

岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

 

第3回 欲望が暴走する女たち

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