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第4回 中国人は台湾の学生運動をどう見たか


歌舞伎町案内人 李小牧が暴く! 日本人は知らない 中国ニュースの裏側


中国の民主化運動が共産党と軍隊に弾圧された天安門事件から、今年でもう25年になる。多くの学生や市民が血を流した悲劇を日本人はすっかり忘れたようだ。しかしながら、実は当の中国人も、自分の国で起きたこの世界的大事件のことをほとんど忘れている。

先日台湾で起きた「サービス貿易協定」をめぐる学生運動を見て、25年前の天安門事件を連想した日本人は少なくないだろう。学生たちは馬英九政権のゴリ押しにストップをかけるため、国会にあたる立法院を約3週間も占拠した。実に若者らしい、正義感ゆえの行動だ。ただ、中国人はこの事件を日本人や台湾人とはかなり違った目で見ていた。

そもそも、この学生運動は中国国内ではほとんど報道されなかった。「中国人が天安門事件を忘れている」のは、共産党がこの25年間メディアによる報道を一切許してこなかったから。民主化運動は中国政府にとって今でも「暴動」に過ぎず、海外情報に触れている知識層以外はほとんど関心を持っていない。事件後に生まれた若者は、事件そのものを知らない。

そんな状況だから、今回の台湾の学生運動を見た大半の中国人の第一印象は、「われわれがカネを与えて経済的に支援しているのに、なぜ素直に感謝しないのか」という何とも高飛車なものだった。実際、台湾の輸出品の行き先の40%を中国が占めている。もう台湾は、中国抜きでは生きて行けない国だ。

台湾人の方が大陸の中国人より世界のことを知っているし、視野も広い。なのに、中国人は経済力を逆手に取り、自分たちが独裁政権に支配されていることも忘れて、小さな台湾の学生たちの行動を「上から目線」で批判する。

民主主義のお手本として台湾に見習うという意識より、「台湾を統一したい」という欲望が中国のかなりの層に広まっている。彼らが台湾の学生運動にまったく同情しないのは、そのことの何よりの証拠なのだ。

李 小牧(リー・シャム) プロフィール
1960年8月27日
中国湖南省長沙市生まれ
バレエダンサー、文芸新聞記者、貿易会社などを経て、留学生として来日。東京モード学園に入学する。ファッションを勉強する傍ら、新宿・歌舞伎町に魅了され、「歌舞伎町案内人」として活動。ベストセラーとなった『歌舞伎町案内人』(角川書店)などを上梓し、執筆や講演活動を展開している。マスコミ登場多数。

第4回 中国人は台湾の学生運動をどう見たか

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