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鳥取連続続不審死事件 上田美由紀被告 告白手記公開「木嶋佳苗被告への大反論」

[週刊大衆05月12・19日GW合併号]

《ある女性に嫉妬した》

――突如、木嶋佳苗被告のものとされるブログ上で、名指しで批判された上田美由紀被告。昨年秋から彼女に面会取材を重ねた記者が入手した直筆手記には、上田被告の木嶋被告に対する想いが綴られていた――。

「彼女を批判したくはないです。ただ、あのブログを見て、彼女は私とは別の考えで拘禁生活を過ごしてきたんだな、と思いました」

4月某日、松江刑務所の面会室。
「鳥取連続不審死事件」の上田(うえた)美由紀被告(40)は残念そうに言った。

上田被告が言う"彼女"とは、自分とともに「東西の毒婦」と呼ばれる「首都圏連続不審死事件」の木嶋佳苗被告(39)のことだ。

鳥取市のスナックでホステスをしていた上田被告は2009年秋、同居していた男性(当時46)と一緒に詐欺の容疑で逮捕された。

その頃から上田被告の周囲で男性が相次いで不審死していた疑惑が表面化。
捜査の結果、借金や家電代金の支払いを免れるために2人の男性を殺害したとして強盗殺人罪などで起訴された。

一方、木嶋被告はそれよりひと足早く疑惑が明るみになり、"婚活サギ女"などと呼ばれて世間の耳目を集めていた。

決して美しくない30代半ばの太った女に対し、男たちが次々にカネを貢ぎ、不審な死を遂げていた――。

マスコミは上田被告の疑惑が浮上して以来、そんな事件の構図が共通するとして、2人を比較して報じるようになった。

2人は裁判でも殺害の容疑に無実を訴えながら一、二審ともに死刑判決を受け、現在は上告中と、まったく同じ立場。

とはいえ、あくまで他人同士だった2人の間に何があったのか?

事の発端は、木嶋被告が今年1月5日に、支援者の協力を得て開設したというブログ「木嶋佳苗の拘置所日記」。

その初投稿記事の冒頭部分には、こうある。
《ある女性に嫉妬した。上田美由紀さんという人に》

鳥取連続不審死事件について書かれたジャーナリスト・青木理氏の著書『誘蛾灯』を読んだ感想だ。

青木氏を敬服し、自分の事件を取材してほしかったという木嶋被告は、《彼は、私より上田さんを選んだのか。ショックだった》というのだ。

それだけなら何事もなく済んだかもしれない。
だが、木嶋被告はとまらない。

写真週刊誌に青木氏の署名記事とともに掲載された上田被告の直筆ラブレターについて、《右上がりの幼稚な文字》《読んでいるこちらが恥ずかしくなってきた》と酷評。

さらにその後も、《今どう生きているか、という点において彼女と同列にされたくない》《この期に及んで嘘をつく女性と私は違う》と上田被告に批判的な言葉を連発したのだ。
木嶋ブログが各方面で話題になる中、沈黙を守り続けた上田被告。
ついに反論のため、手記を執筆した。

「私は人を見下すのが嫌いなんです。彼女のブログで気になるのも、人を見下しているようなところです」
面会でそう語った上田被告。

たとえば、木嶋ブログでは、自分の事件や裁判を取材、報道した記者、ライターについて、《無能なフリーライターばかりだった》《木っ端ライター》と手厳しい批判が続出するが、上田被告はこういう描写が気になるようだ。

《彼女は無能なフリーライターばかりだったとなげいているが、どこが基準なの?と思う。それに、あなたはそんなに人を見下せる程すごい女性なの?》
そして上田被告は、取材関係者たちとの交流経験も踏まえて、こう続ける。

《文句を言う前に、人を見下す前に、自分の発言を、生活を、生き方を考え直して欲しいな~って思う。だってルポライターの人だって、新聞、TV記者だって片手におにぎりを持ちほおばりながら、真実を知ろうとしている人もいるんじゃないの?って思う。私はそんな人と今話してるよって、彼女に言いたい。(中略)私は少なからず、そんな人と出会ったな~って思う》

上田被告は、『誘蛾灯』で辛く評価された第一審の弁護人について、木嶋被告が《弁護団も優秀とは言えず》と書いたことにも言いたいことがあるようだ。

《私の一審の弁護士にしても、ハンバーガーで、安く栄養のない食事で、一日中面会を何度もしてくれたの知ってますか?だから、あなたには何も言われたくないなぁ~って思う!!言わないで!!何も知りもしないあなたに……》

ただ、木嶋ブログについて、《これを見て、彼女を怒る気にはなれないな。何だか逆に彼女に同情しちゃう自分がまだいる》とも綴った上田被告。

木嶋被告が嫉妬する青木氏の件については、《青木さんと会いたいのなら自ら動けばいいじゃないの?》《同じ東京なんだから会えるよ》と叱咤激励し、こんなふうに呼びかける。

《佳苗さん、闘うのは、私でも無能ライターでもなく、警察、検察、裁判所だよって思うな~!!もう一回ゆっくり考えてみて欲しいな~。敵が違うんじゃない?》

自分と同じように無実を主張しながら死刑判決を受けている木嶋被告に対し、上田被告はやはりわかり合える部分があるようだ。

ところで、木嶋ブログでは、死刑判決を受けて拘禁中の被告人らしからぬ優雅な生活の様子が窺える。
たとえば、《出版社の彼が来た翌日に支援者のおじさまが会いに来て、2人はロッテのチョコパイとネスレのキットカットを差し入れてくれた》とか、《1年分の新聞購読料を誕生日プレゼントとして送って下さった方には、1年後に報告とお礼を致しました》とか、《年下の彼》が《どら焼きと最中とカントリーマアム》を同時に差し入れてくれたとか。
上田被告はこんな様子にも感じることがあるようだ。
《私には、彼女みたいに全然余裕がなくて、本当に毎日がしんどくて、今もあんまり食事を取れなくて、担当の先生(※編集部注=刑務官)と毎日、バトルしとるのに……。彼女はカントリーマアムか? ドラヤキ? うらやましいな。私、差し入れは断わりまくっているのに、彼女が受けてるんだと思うと、スゴイな~って感心する》

マスコミで巨漢の怪人物に見える写真で紹介されることが多かったが、実際は横幅こそあるものの、身長は150センチに満たず、「初めて面会に来た記者の人によく驚かれます」と言う上田被告。

精神的に参ると食が細くなるタイプで、3月に控訴審で2度目の死刑判決を受けて以降も、やつれてしまったという。

それだけに木嶋被告の優雅な様子に《彼女の食欲あるのは健康の証拠だよねって》と素直に感心しているようだ。

男のズルさも知ってるから…

何かと比べられることが多かった2人だが、木嶋被告と比べられることは元々好きではなかったという上田被告。

木嶋ブログを見て、《ますます、彼女とくらべられたくないよ~(泣)》と思ったという。
その一方で《林さんとか風間さんとくらべられたいな~!!母として……》と綴っている。
上田被告が言う"林さん""風間さん"とは、1998年に起きた和歌山カレー事件の林真須美死刑囚、94~95年頃に話題になった埼玉愛犬家連続殺人事件の風間博子死刑囚のことだ。

2人とも無実を訴えながら死刑判決を受けたところは木嶋被告と同じだが、木嶋被告が出産経験がないのに対し、林死刑囚は4人、風間死刑囚は3人の子を産んだ母親。
5人の子どもがいる上田被告としては、そこに共感を覚えているようだ。

一方、木嶋被告はブログで、面会に来た《出版社の人》を《私が異性として好きなタイプとは違うけれど、客観的に見て美男子です》《何十回会っても、彼のセクシーな髭と眼鏡にみとれます》と書くなど、まだまだ"オンナ"。

そんな木嶋被告に、上田被告はこう思う。
《今も昔もずっと女なんだと思った。私は母として生きたいと思っているから、女の私は、ないなって思う。それもなんだか寂しい気がする、私が。でもいいんだって思う。でも、こんなに彼女に言われて書かれても、彼女を嫌いになれない私がいる。だって、彼女も絶対苦労してるの知ってるもん。男のズルさも知ってるから……》

同じ女として、何か察するところがあるようだ。

木嶋被告のブログで複雑な思いになっても、裁判は無罪を願って応援していたという上田被告。

木嶋被告が控訴審で2度目の死刑判決を受けた日は、面会に来た親しいテレビ記者に結果を告げられ、《本当に声出して泣いた》という。

だから、こんなエールを送る。
《彼女には、本当に頑張って欲しいと思う。今もブログを読んでも、気持ちは変わらなかった。それは私も自分でもびっくりした。だって私は先入観が彼女にはほとんど今もないから……。彼女がくやしかった気持ちもすごくわかるから……。マスコミに対しても、報道に対しても、公判に対しても、くやしかっただろうって思う。どれだけ涙を流しただろうと思う。そして、こんな私とくらべられて悔しかったろうと思う。私も悔しかったから……。(中略)でも、人を見下すのはやめて欲しいな~って思う……。彼女のブログでは泣かせてもらいました(笑)》

"外"へと発した思い。
彼女たちは最終審判決の日をどんな心境で迎えるのか。

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