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第5回 いろんな経験をしたいとか言うバカ者たちに告ぐ! 余計な経験するなっ!想像しろっ!

2014-05-07

天才CMプランナー グ スーヨンが教える「いいかげん学習法」


オレがまだ中学生くらいだったある日、家族でTVのニュースを見ていたら、父親が突然こんな質問をオレに投げかけたのです。
「今のこのニュースを、キミはどれくらい信用できるかな?」
ニュースの信用って?
そもそも「キミ」って誰? オレのこと? オレはアナタの子供なんですけど?
父親はオレのことをキミとか呼びます。
「ニュースなんだから、ホントのことなんじゃないんですか?」
ちなみに我が家では、父親と話すときビミョーな丁寧語で話す。強制されたわけではないが、気がつくと自然にそうなっていた。
「そうかもしれないが、そうじゃないかもしれないな」
「????」
「ニュースだからといって、本当かどうかは分からないよ。キミがあそこで実際に体験したワケじゃないだろ?」
「おっしゃるとおりです。体験したワケじゃありません」
「実際にキミが体験したとしても、それが本当かどうかは分からないものなんだよ」
「????実際に体験しても、ですか????」
「その時のキミの状態や気分によって、物事の捉え方は180度違ってしまう場合もあるからね。芥川の「藪の中」を読んだなら分かるだろ」
「う~ん、確かに」
「信用の割合なんてのは、文字で読んだものは1割、人から聞いたことは2割、それに写真や映像がついていたら3割、実際に自分が体験したとしても、たかだか4割程度ってところかな」
「実際に体験して4割は割に合わない気がするのは、オレだけでしょうか?」
父親は、キリスト教哲学を就学していて、地元の教会では長老をやっている。そういうわけで、物事の捕まえ方が独特なのでした。
とはいえ、それはその後のオレの考え方に、強烈な影響を及ぼしたのは言うまでもありません。

アイディアを創るということは、物事の本質を知ろうとするココロです。心意気のことなのです!
誰がなんと言おうが、そうに違いないのですが、文字数の都合上、理由は割愛させていただきます。
物事の本質を知ろうとするココロにとって、物事の信用性は重要です。
となると、父親の言う一番信用性の高い、4割の信用性のある「体験」が最良ということになります。
でも、いろんな体験が、そう簡単にできるワケないじゃないですか。時間にもお金にも限界があるから。
そうです! やっと本題ですね。
いろんな体験ができないのなら、いろんな本を読めばいいんです!

体験よりも経験
もう一つ方法を考えてみました。
どうせなら体験の精度を上げて、4割を5割とか6割にできないのだろうか? そうすれば、とっても効率がいいじゃないか!
北半球一の怠け者であるオレが考えそうなことだね。
どこかの難しい本に、こう書いてありました。
経験とは、「見て、聞いて、嗅いで、触って、感じて、読んで、書くことである」
これだっ!
 オレは思わず叫んでいました。
経験とは?
「若いうちに、いろんな経験をしてみたいっす。いろんな外国にも行ってみたいっすねぇ」
なんてセリフをオレが教えている生徒たちは、いかにも社会の正解かのように軽々しくほざきやがるのです。
確かに経験で沢山のことを学ぶことはできるでしょうけど、それは本質の一部分で、絶対でも全部でもない。
そういうのに限って、留学して帰ってくると外国にかぶれまくっちゃって「だいたい日本はさぁ」なんてセリフも例外なくほざいていただけます。
「恋愛ってさぁ、悲しいよねぇ」恋愛の意味さえ考えたことないクセに、たいした恋愛なんかしてないって「その仕事やってみたけど、自分の思ってた仕事じゃなかったし」仕事は妄想じゃねーんだよ。
こういうくだらない経験は、せっかくの向上心に有害以外のなにものでもありません。
カレ、カノジョの言葉にまったく信用性が無いのは、歴史、気候、生活習慣、文化、経済状態など、いろんな知識と照らし合わせてから思考したものだとは、到底思えないからでしょう。
全部体験するなんて到底無理だし、信用度は4割だし。
もうお分かりですね!
余計な経験するなっ!想像しろっ!本を読んで書け!
(書け!については、おいおい話していきましょう)

だってね、麻薬や殺人は、経験してみなきゃ分からないの?
そこまでバカ?

グ スーヨン(具秀然 gu suyeon) プロフィール
1961年、山口県下関出身の在日韓国人二世。
CMディレクターとして多くの話題作を手掛け、注目を集める。
1994年にGOO TV COMPANY ltd.設立。その才能は多岐に渡り、作詞家としての活動をはじめ、2001年には初の小説「ハードロマンチッカー」を刊行。小説家としても高い評価を得る。
2002年に2冊目となる小説「偶然にも最悪な少年」刊行。
ACC最高賞、ロンドンクリエイティブアワード他、受賞多数


グさんが手掛ける話題のタクシーCMをCheck!
『グとハナはおともだち』
【CM作品】
・ケビン・コスナーのサントリーモルツ
・永瀬正敏の資生堂メンズスタイリングムース
・「脱いでもすごいんです」のTBC
・「パソコンできない人は亡びる」COMPAQ
・ジャン・レノのHONDAオルティア
・内藤剛士の「だって8時間だもん」SONYハンディカム
・ウルフルズの資生堂GERAIDOから堂本剛の資生堂GERAIDO
・鼻血を出した金城武のライフカード
・菅野美穂の「なにのもっかなぁ」サントリービタミンウォーター
・「ピンキリ」優香と加藤君のカーセンサー
・ひろみ郷の雪国まいたけ
・「あきらめましょう」を歌う華原朋美、伊藤蘭のポッカ
・金城武のLYCOS
・柳沢慎吾のピザーラ
・福山雅治のダイナブック
他、IBMのe-business、缶コーヒーのジョージア、ヤクルトジョア、ポラロイド、日本火災、DDIセルラー、うまかっちゃん、関西J-phone、九州J-phone、所ジョージのラビット、佐川急便、篠原凉子の「やばっグッときた」ORIXカード
など、お茶の間を騒然とさせる話題作多数。


【出演番組】
1995年:テレビ朝日の「えびす温泉」では、レギュラー審査員。
1998年:テレビ朝日ドキュメント「21世紀への伝言」で、現在活躍する在日韓国人クリエイターとして出演。
1999年:TBSの「情熱大陸」で、自身をドキュメントされた。
2010年:タクシーちゃんねる「グとハナはおともだち」
2013年:ベイFMレギュラー番組「接続したくない人たち」毎週月曜25時~


【手がけた作】
・内田有紀「baby's growing up」MTV
・槙原敬之「SPY」「どうしようもない僕に天使が降りてきた」MTV
・チャー「SMOKY」MTV
・ウルフルズ「まかせなさい」MTV
・内田有紀のアルバム「愛のバカ」「nakitakunalu」プロデュース
・ポッカのCMソング「あきらめましょう」や田原俊彦、林明日香、ラグフェアなどの作詞を手がける。

2001年3月:初の小説「ハード・ロマンチッカー」刊行
2002年6月:「偶然にも最悪な少年」刊行
2003年9月:初監督映画、「偶然にも最悪な少年」全国東映系ロードショー。主演 市原隼人、中島美嘉主演
2005年:韓国プチョン国際ファンタスティック映画祭に審査員として招かれる。
2007年5月:映画「プルコギ」全国公開。主演 松田龍平、山田優
2010年1月:テレビ東京「ジロチョー清水の次郎長維新伝」監督
2011年11月:映画「ハードロマンチッカー」全国公開。主演 松田翔太


【2015年公開予定のグスーヨン監督映画が現在企画進行中】
プルコギ 偶然にも最悪な少年 ハードロマンチッカー 偶然にも最悪な少年

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