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NSC法案で再編加速!日本のスパイ機関1万5000人秘密戦士知られざる実力vol.01

[週刊大衆12月02日号]

"強いニッポン"を取り戻すことをマニフェストに掲げる安倍首相が、大きな一歩を踏み出した。
「NSC(国家安全保障会議)設置法案」が衆院を通過し、来年1月には同会議が内閣内に設置される運びとなったのだ。「NSCは諸外国では当たり前の制度ですが、日本は設置が立ち遅れていました。日本の場合は、首相・官房長官・外相・防衛相の4者が中心となり、運営されることになります。同時に、会議を補佐するために内閣官房内に国家安全保障局が設立され、自衛官や民間人からもスタッフを募る予定です」(全国紙記者)

NSCはテロ事件や他国による日本への武力行使、大量避難民の日本流入、さらには日本でのスパイ活動などに、国家として迅速に対応するために設置される。
「これらを実現するために、日本の情報機関に対し、"北朝鮮の弾道ミサイルに関する情報が欲しい"といった具合に命令を下すことも、NSCの役割です。ただ、そのためには厳格な機密情報の管理・運用が必要となってくるでしょう」(前同)

その対応策が、一部で「お上の横暴」「ドス黒い管理社会の幕開け」と悪評紛々の特定秘密保護法案。
この法案は、公務員が政府指定の機密情報を第三者に漏洩した際の罰則を強化するもの。
現在、国会に提出され、審議入りしている。
「自民党の石破幹事長は、特定秘密の例として海自潜水艦のスクリュー形状等をあげていましたが、確かにこの手の情報が外部に漏れると、死活問題です。情報機関の場合は、エージェント(内通者、協力者)を記したリストが流出したらゲームオーバーです。こうした情報にプロテクトをかけなければ、NSCなど絵に描いた餅になってしまうんですよ」(軍事ライくろがねターの黒鉦英夫氏)

報道によれば、秘密保護法案は今国会で成立の見通し。
すでに、日本版NSCを支える国家安全保障局の初代局長に谷内正太郎・内閣官房参与が内定するなど、安倍政権は着々と準備を進めている。
「NSC局長の座を巡っては、外務省、防衛省、警察庁で激しいつばぜり合いがあったようです。谷内氏は元外務事務次官ですから、今回は外務省側の勝利と言えるかもしれませんね」(『ワールド・インテリジェンス』編集長を務めたジャーナリストの黒井文太郎氏)

NSCとは、いわば「数ある情報機関の交流の場」(前出・黒鉦氏)という趣もある。
そのため、発足前から、いわゆる"縄張り争い"もあるのだろう。

情報機関最近ではインテリジェンス機関と呼ばれることも多いが、とどのつまり、これらはすべて「スパイ機関」のこと。

世界の主要国で、情報機関を持たない国は存在しない。
アメリカならCIA、イギリスはMI6(正式にはSIS)、イスラエルのモサド、中国の国家安全部、お隣韓国ならKCIAの後身となる国家情報院がある。
もちろん、日本にも情報機関は存在する。現在、日本に存在する主な情報機関の職員数は約1万5000人。その内訳は《外務省=約5800人、内閣情報調査室=約170人、公安調査庁=約1530人、警視庁公安部=約2000人、警察庁警備局公安課=約1000人、防衛省情報本部=約2400人、陸上自衛隊中央情報隊=約600人、陸上自衛隊特殊作戦群=約300人、陸海空自衛隊情報保全隊=約1000人》といった具合。
世界に冠たるスパイ養成機関であった陸軍中野学校では、その生徒たちを「秘密戦士」と呼んだ。

以下、わが国の"現役の秘密戦士"たちの知られざる実力を紹介していこう。

まずは、日本情報機関の中心に君臨する「内調」こと「内閣情報調査室」から。
内調は"日本版CIA"を目指し、1952年に創設された組織。
本部は内閣府庁舎6階にあり、花形の諜報部門は、国内、国際、そして経済部門の3つに分かれている。
「それぞれ約50人の調査員を抱えていますが、誰がどんな調査をしているかは隣の席の人にもわかりません」(内閣府職員)

さらに、「内調は伝統的にCIAのカウンターパートナーであるため、折に触れCIAから情報提供を受けています。トップの内閣情報官をはじめ、伝統的に警察庁からの出向者が多いのも特徴で、ここの国際部門の職員は、拉致問題をはじめ、北朝鮮に関してはかなり情報を蓄積しているようです」(前出・黒井氏)

また、傘下の内調衛星情報センターでは、現在4基打ち上げられている偵察衛星からもたらされる画像を分析。
北朝鮮や中国の動向を注視している。
「安倍首相は06年の第1次政権時、内調を日本版NSCの中心に置き、海外での諜報活動を実現しようと模索していたようです。現在も、その思いは捨てていないのではないでしょうか」(黒鉦氏)
近い将来、世界中で対外諜報に当たる"日本版CIA"が創設される際は、内調がその核となるようだ。

続いて、高い情報収集能力から"日本最強のスパイ機関"と目されているのが、警視庁公安部所属の通称「外事警察」だ。
外国諜報機関のスパイ行為を捜査するのが外事警察の主任務。
「外事1課がロシアスパイおよびミサイルの部品の持ち出しなど戦略物資の監視。2課が中国、北朝鮮のスパイや大使館職員の監視。3課が国際テロ担当です。3課の場合、CIAからパキスタンのテロリストの遠い親戚が日本に潜伏しているなどの情報が入ると、対象者を調査することもあるようです」(前出・黒井氏)

この外事警察の捜査情報がネット上に大量流出する事件が発生したのが、3年前のことだ。
「流出文書の内容には驚かされました。80人近くに上る大使館員らの銀行口座すべてが記されており、公安警察の恐ろしさを感じましたね」(全国紙記者)

11月30日公開のvol.02に続く・・・。

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