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横暴中国を止められるのか!?極東東南アジア10か国「海軍戦闘力」ガチンコ比較

[週刊大衆06月02日号]

一触即発――アジアの海が、戦火に染まろうとしている。
中国とベトナムの渾身の"ぶつかり合い"だ。

それは5月2日、中国とベトナムが領有権を争う南シナ海・パラセル(西沙(せいさ))諸島周辺海域で始まった。

突如、ここに中国国営のエネルギー企業が巨大オイル・リグ(掘削装置)を据えつけ、石油掘削を強行しようとしたのだ。

「その周囲を、中国の40隻の軍用艦、さらに40隻の漁船が護衛するようにズラリ。対するベトナムも抗議の艦船30隻を派遣して、にらみ合い。小競り合いも起きています」(全国紙外信部記者)

5月7日、石油掘削を阻止しようとしたベトナム船に、中国船が体当たり。
負傷者が続出。
まさに"血を血で洗う戦い"に発展した。

続く13日、またも同海上で船舶が衝突。
中国が軍艦2隻を含む86隻、ベトナムが約30隻を出し、威嚇(いかく)戦が続いていた。

「一大紛争に発展しかねず、ASEAN加盟国は強く懸念を表明。11日には、首脳会議で関係国に自制を促す宣言を採択しています。中国を名指しでは批判していませんが、会議上、中国への批判が雨アラレだったそうです」(外務省関係者)

国際問題評論家の小関哲哉氏が言う。
「(今回の衝突の)すべての原因は、海洋利権の強奪をもくろむ中国の横暴な横やり、と言うに尽きます。かつて、中国は、アヘン戦争や日清戦争で多くの領土を失いました。それが今、名実ともに世界第2位の経済大国に成長。その自負をもとに、失った領土奪還に乗り出してきたんです」

さらに、中国は、南シナ海一帯での"九段線(きゅうだんせん)"なる主張まで始める始末。

「九段線とは中国南部の海南島から遠くインドネシア北岸まで、輪を描くように垂れ下がって伸びる9本の領海線のこと。南シナ海のほぼ全域にわたる九段線での管轄権を言い始めたんです」(前出・外務省関係者)

加えて、5月下旬、ロシアと組み、東シナ海で初の大規模な中露海軍演習を予定。
ここで、"アジアの海の覇権"を高らかに宣言する算段だという。

だが、その強気も納得できよう。
中国海軍の軍備は、アジアでもトップクラス。
金も人も惜しまないのだ。

「2000年以降に就役した潜水艦は、核弾道ミサイルを発射できる戦略原子力潜水艦3隻、攻撃型原潜2隻、通常動力型潜水艦33隻の威容を誇っています。主な水上戦闘艦は、艦隊防空ミサイル戦闘艦10隻、汎用戦闘艦20隻。空母はウクライナから購入した遼寧(リャオニン)(J- 15艦載戦闘機30機と各種ヘリ24機艦載可能)以外に、建設中の本格的作戦用空母(8万トン級)が18年までに1隻、20年までに2隻が就役予定です」(前同)

急激な経済発展の結果、莫大な軍事予算を注ぎ込み、恐るべき戦闘力を身につける芸当ができたわけだ。
「これらの大艦隊で、東シナ海や南シナ海、西太平洋までを統制下に置くのが、中国海軍の野望です」(同)

金の力でねじふせられてはたまらない……そんな叫びが聞こえてきそうなのが、大国・中国に果敢に挑んだ、冒頭のベトナムだ。

軍事評論家の神浦元彰氏が言う。
「中国の横やりに対抗すべく軍事力の増強に邁進(まいしん)中です。象徴的なのが、ロシアに発注した6隻の潜水艦。この潜水艦(改「キロ」型潜水艦636型)は、ディーゼル・エレクトリック方式を採用した第4世代の最新低騒音潜水艦です」

同潜水艦は、エンジンを停めても、充電式バッテリーのみで航行可能。
隠密性が優秀で、攻撃システムも最先端のものだという。

「対して中国は、対潜水艦哨戒技術が未熟。敵潜水艦を発見する艦載ヘリやソナー技術など、あってなきがごとしです」(前同)

軍備強化は吉と出るのか。
一方、スプラトリー(南沙(なんさ))諸島ミスチーフ環礁を中国に不法占拠されているフィリピンも、敢然と立ち上がった。

「去る1月、これも中国が占拠する"中沙諸島スカボロー礁問題"などについて、国際海洋法裁判所に提訴。また、5月6日にはフィリピン近海で不法操業していた中国漁船を拿捕(だほ)。中国当局の執拗な抗議に屈せず、厳格に裁く姿勢を崩しません」(在比日本人特派員)

そのフィリピンは先般、米国と新たな協定を締結。
米海軍にスービック湾、米空軍にはクラーク基地の10年間の借款を約束した。

「両基地とも、ルソン島中部にある南シナ海の要衝。脆弱な軍事力しかなく、中国海軍にいいようにされてきたフィリピンですが、これで形勢逆転です」(前同)


台湾は対潜哨戒機P3C購入

中国に悩まされている国は、これだけではない。
「スプラトリー諸島を巡って、マレーシアとブルネイも中国と対峙。同地域も、いつ火を噴くか知れない"火薬庫"となっています」(防衛省関係者)

一方、台湾も、南シナ海や台湾海峡で横暴を働く中国を警戒。
昨年暮れ、米国から初めて対潜哨戒機P3Cを12機購入した(15年末、全機引き渡し予定)。

「以前、台湾は航続時間3時間半の旧型機しかなかったが、新たに導入するP3Cは7時間航続可能。今まで、同国は台湾海峡から南シナ海の哨戒空白海域を埋められず、横暴に歯がみするのみでした。これで中国海軍の封じ込めも、現実となりました」(前同)

翻って、韓国。
中国漁船不法操業取締りで中国とドンパチを繰り返し、「発砲ためらう必要なし」と武闘宣言。
「現在342人いる海上特殊機動隊員を全員、軍の特殊部隊出身者に代え、"中国排除"の姿勢を強烈にアピールしています」(同)

これらの国々に負けず劣らずなのが、人口2万人足らずの小国・パラオ。
「発砲辞さずの姿勢で、不法な中国漁船の撃退を繰り返しています。12年、違法操業の取締りでは、中国側の漁船員に死者まで出ました」(前出・外務省関係者)

各国とも、大国に好き放題やらせているわけではない。
そのうえ、現在、「水面下で、日本とベトナム、フィリピンの間で対中3国同盟の話が進んでいます」(前出・外信部記者)


「幼稚園児とボクサーの喧嘩」

すでに、日本の自衛隊は準備に入っている模様だ。
まず、早期警戒機E-2C4機を三沢基地から那覇基地に移して対中哨戒部隊「第603飛行隊」を結成。

「那覇基地には、海上自衛隊のP3C対潜哨戒機部隊も常駐。これで、中国海軍は、以前のような、九州から台湾に至る海域での作戦行動が容易にできなくなったはず」(自衛隊関係者)

さらなる切り札もスタンバイ済みという。
世界最強の海戦軍団、横須賀を母港とする「米軍第7艦隊」だ。

「同艦隊は原子力空母"ジョージ・ワシントン"を中心に、戦時には50~60の艦船、350機の航空機、6万の水兵と海兵を動員。空母付属の第5空母航空団、直属のイージスミサイル巡洋艦1隻、イージスミサイル駆逐艦2隻、攻撃型原子力潜水艦1~2隻、そして補給艦からなる一大戦闘軍団です」

前出の神浦氏が言う。
「南シナ海に第7艦隊が出動し、中国軍と対峙となれば、それは幼稚園児とヘビー級ボクサーの喧嘩と同様。勝敗は明らかです」

軍事ライターの古是三春氏も、苦笑いを浮かべ、「最近、中国は、西側諸国並みにステルス戦闘機を配備したと言っていますが、正直、外見だけを真似たまがい物。中古空母・遼寧も、ノロノロ速度しか出ない致命的欠陥のある空母です(米原子力空母が30ノットに対し、最大でも20ノット)」

続けて、こう断言する。
「遼寧を沈めるのに、日本のイージス艦1隻あれば十分ですよ」

なんとまあ、居丈高に周辺諸国を脅す中国も、一皮むけば「幽霊の正体見たり枯れ尾花」!?

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