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2020年オリンピックで東洋一の歓楽街歌舞伎町はこうなる!

[激撮! 歌舞伎町24時]

2020年オリンピックで東洋一の歓楽街歌舞伎町はこうなる!

東洋一の歓楽街と呼ばれていたのも、今は昔、歌舞伎町の凋落が著しい。

2003年、石原慎太郎元都知事による「歌舞伎町浄化作戦」と銘打たれた締めつけ強化で、水商売の店や、性風俗の店は青息吐息の状態。すっかり街の活気は失われてしまった。

さらに、それに追い打ちをかけるのが、2020年に予定される東京オリンピックだ。「治安維持」を大義名分とする締めつけが再び行われるのは明白で、これがトドメの一撃となり、歌舞伎町が消滅してしまうのではないかと危ぶむ声が噴出している。

過激な締めつけで、すでにヤクザのマフィア化や裏風俗の横行などの弊害も囁かれているが、20年のオリンピックで歌舞伎町はどうなってしまうのか――。

少し前まで、"乳もみパブ""イメクラ"などのドギツイ看板の前を、新宿コマ劇場で開催される有名演歌歌手の舞台に向かう着飾ったマダムが通り過ぎ、酔っ払いがケンカを繰り返す。そんな中を、黒いダブルスーツを着たヤクザが闊歩する。

カオスそのものといった街だったが、現在では、そんな光景もほとんど見られなくなった。

歌舞伎町の凋落の象徴は、08年暮れの新宿コマ劇場の閉館だ。かつては演歌歌手だけではなく、YMO、山口百恵などもコンサートを開いていたが、業績不振を理由に、52年の長い歴史に終止符を打った。跡地には、15年の竣工を目指して地上31階の商業ビルが建設中だ。

歌舞伎町にある居酒屋の主人は、こう明かす。
「コマ劇場もなくなって、単なる飲食店やキャバクラのある通りになっちゃった。寂しいもんですよ。この辺の店の人たちはみんな、石原を嫌ってる。(後継者の)猪瀬直樹・前都知事が辞めたのもザマーミロって感じ。前回(09年)の五輪招致失敗の時は、みんなで祝杯をあげたよ。浄化作戦には迷惑したからね。あれで歌舞伎町の熱気みたいなのは消えちゃったから」

03年から続く一連の浄化作戦は、01年に、44人が犠牲になった歌舞伎町雑居ビル火災を受けた歌舞伎町商店街振興組合による「安全なまちづくり」宣言や、警視庁も協力した「歌舞伎町ルネサンス」運動などとともに、「悪質」「違法」の風俗店や、ぼったくりバーの摘発などを続けてきた。

これにより、200軒を超えていた店舗型の性風俗店は消え、旧コマ劇場の周辺の映画館は軒並み閉館に追い込まれた。
「そもそも風俗を規制したのが失敗だったね。石原も爺さんだから、アソコが柔らかくなる代わりにアタマが固くなった(笑)。いくらホテルやシネコンが建設されても、簡単に活気が戻るとは思えないよ」(前同)

"浄化作戦"が街を破壊してしまった…

そして、来る20年の東京五輪では、東京都は訪れる観光客たちに「清潔で活気のある歌舞伎町」をアピールしたいようだ。

しかし、アウトローに詳しい作家の宮崎学氏は都の施策を、こう一刀両断する。
「清潔と活気が両立するとも思えないし、64年の東京オリンピックの時には、都内全体が"自粛ムード"で、それこそ灯か消えたようでしたね。歌舞伎町は、戦後の焼け跡にヤミ市ができて以来、ずっと"盛り場"として栄えてきましたが、浄化作戦が街を壊してしまいました。いったん人がいなくなってしまうと、呼び戻すのは難しい」

また、浄化作戦で歌舞伎町の治安が改善するかと思いきや、都の思いどおりにはいかないようだ。
「64年の五輪のときは、都内で抗争しないようにヤクザたちは紳士協定のようなものを結んでいました。20年の五輪では、警察はパフォーマンス的にアウトローたちを抑え込もうとするかもしれませんが、その頃にはアウトローもほとんどがマフィア化して、警察は把握できない状態なのではないかと思います。正式な組員とはならずにヤクザに協力する形で動く人間は、これからも増えるでしょう。そして、ドラッグの密売や売春などに、より見えない形で関わることになります」(宮崎氏)

"取締り"の強化は警察利権との指摘も

もはや、誰も得しないのではないかと思われる浄化作戦だが、警察官や、都の幹部たちにとっては事情が違うようだ。

03年の浄化作戦当時、石原元都知事は、元広島県警本部長のT氏を警察官僚出身者として初の東京都副都知事(治安担当)に就任させ、指揮を執らせた。T氏は退任後、大手メーカー東京支社参与や東京都教育員会などの要職に就き、13年に東京ビックサイトの取締役に天下りしている。
「T氏のような人間にとって、歌舞伎町の"浄化"や暴力団排除はキャリアのステップ、すなわち利権でしかありません。T氏のようなキャリアと現場の警察官の感覚は違うと思いますが、キャリアの感覚で歌舞伎町から"厄介者"を追い出すだけでは、治安を保てるわけがありません。むしろ、アウトローは歌舞伎町を棲家にしていたほうが、警察は捜査しやすかったはず。今は各地に散らばってしまいましたが、現在の警察の捜査能力の低迷は、こうしたことにも原因があると思います」(前同・宮崎氏)

厳しい浄化作戦で変貌する歌舞伎町であるが、その一方で、日本の下半身産業を支えてきた"夜のおもてなし"も存亡の危機に立たされている。

"日本の下半身"から夜のお遊びが消滅!?

歌舞伎町にオープンしたライブハウス『ロフト』(99年)と、日本初のトークライブハウス『ロフトプラスワン』(95年)。歌舞伎町にサブカル文化を導入したことで注目されたロフトプラスワンは、政治・社会問題から音楽、漫画、エロまで、あらゆるテーマのトークが連日行われ、現在も人気を博している。その『LOFT PROJECT』代表の平野悠氏は、こう振り返る。
「私が歌舞伎町に店をオープンしたのは、単純に賃貸料が安かったから。90年代前半の歌舞伎町は、(85年の)新風営法施行やエイズ騒動などの影響で、ソープランドなどが大打撃を受けていました。かなり前から、歌舞伎町の猥雑さは失われてしまっている。以前は面白い風俗もいっぱいあった。私も以前は歌舞伎町のほとんどの風俗店に行ったが、いまは面白くないね」

85年の新風営法の規制に加えて、81年にアメリカでエイズの症例が報告され、その後に日本国内でも発症が問題となる。このことで当時のトルコ風呂(現在のソープランド)が潰れていくわけだが、その代わりにファッションヘルスなどの「手コキ」「素股」系の風俗店が台頭し、人気を集めるようになる。

さらに、現在の出会い系の元祖であるテレクラやセーラー服や看護師の制服などでプレイするイメクラ、さらには「乳もみパブ」や「耳かきサービス」、女性のタイプもロリータから熟女まで幅広く、歌舞伎町は、まさに下半身産業の中心だったのだが…。
「今年の4月に大阪・宗右衛門町に『ロフトプラスワン WEST』をオープンしたんだけど、宗右衛門町のほうが猥雑で、昔の歌舞伎町っぽいね。まだ、ヤクザも元気だし(笑)」(平野氏)

しかし、12年にオープンし、ロボットを使ったショーをやるレストラン『ロボットレストラン』は、歌舞伎町らしい話題であった。カップル喫茶やハプニングバーなども、まずは歌舞伎町でオープンしてから、六本木などでも出店を検討するようだが、今後は、どうなるのだろうか。

現在は、地元の振興組合や有志の団体も、歌舞伎町を「美しい町」にすべくイベントなどに力を入れている。親子で歩けるようにと作成された地図も出回っている。風俗店が消滅し"夜のおもてなし"がなくなるのは時間の問題なのだろうか。

"終戦直後"と同様に愚連隊が台頭する!?

最後に、前出の宮崎氏がこう締めくくる。
「ヤクザが歌舞伎町からいなくなっても、半グレのような集団はいなくならないでしょう。治安は、むしろ悪化するのではないかとも思います。裏風俗も横行するでしょう。これらは、戦後にGHQがヤクザを弾圧した結果として愚連隊が生まれてきた経緯と似ています。愚連隊は、ヤクザのような厳密なタテ社会ではなく、フラットな関係ですから、いまの若者でも馴染めるでしょう。ただし、過剰な暴力団排除や特定秘密保護法の創設などは、戦争に突き進んでいった戦前とも共通しています」

表面的にはわからなくても、戦前戦後の暗さを擁する街で、マフィアが暗躍する……歌舞伎町は、そんな街になってしまうのかもしれない。

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