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コンプライアンスからの自由・解放がプロレスの醍醐味だ。

プチ鹿島の連載コラム 「すべてのニュースはプロレスである」

前回のコラムの最後に「現在の新日本プロレスを始めとする多くの団体は、プロレスの杜撰さを排除し情報公開に努めている」と書いた。

今回それを象徴する事件が起きた。新日本プロレス・タイチ選手の不倫騒動である。

《無料通信アプリLINEで既婚者のタイチに交際女性が離婚を迫るなどの“痴話げんか”や抱擁画像などがインターネット掲示板などに掲載され、28日にネット上で話題になっていた》(スポニチ・5月29日)

新日プロレスはHPでただちに「昨日来、一部ネット上に流布している当社の専属契約選手であるタイチ選手の件で」とはじまる文章で謝罪。タイチ選手に対しての処分を検討しているという締めだった。

早い。迅速な対応だ。安心・安全のエンタメ企業としては当然なのだろう。

気になるのはその処分だ。もしタイチ選手が姿を消すような、厳正な処分がくだされたら……。

私は、新日本プロレスを観にゆく楽しみのひとつがタイチだった。

この男、とにかく巧いのだ。見ていて飽きない。“世界一小ズルい男”との異名をとり、その小物感を最大限に利用して観客の心をイライラさせる。常に「タイチは帰れ」というコール(というかエール)を浴びている。

3年前にメジャー3団体(新日・全日・ノア)による初の合同興行「ALL TOGETHER 東日本大震災復興支援チャリティープロレス」が開催されたことがある。

この「オールスター戦」のなかでさえ、私の中ではタイチが目立った。あのセコいキャラの魅力を説明すると、古くからのプロレスファンほど納得してれくれた。

最近の映画やドラマではなかなか味わえないセコい小悪党ぶり。私は逸材だと思っている。

そんななか今回の騒動。たぶんプロレスが健全なエンタメを目指せば目指すほど一般企業のように「コンプライアンス」は求められると思う。

しかしその一方で、コンプライアンスからの自由・解放がプロレスの醍醐味でもある。

今回のタイチのLINE・プリクラの流出なんて、スケールが小さくてせこくてネタにされるにはもってこいの小物ぶり。よくぞキャラを全うしたと感心すらしてしまう。

これはもうリングで「発散」してもらうしかないではないか。いつもの仕返しとばかりに野次りたくてウズウズしてるファンもいると思う。それを楽しめるのがプロレスでありファンだ。マイナスはプラスにかえればよい。

タイチの小物ぶりが早く見たい。新日本プロレスさん、どうかひとつ寛大な処分をお願いします。


プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。
ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

コンプライアンスからの自由・解放がプロレスの醍醐味だ。

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