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プロ野球「今オフ FA大物選手 争奪戦」実況中継

[週刊大衆06月23日号]

「やっぱり金子は、なんとしても欲しい投手だね」

5月31日、交流戦の巨人対オリックス2回戦。9回まで巨人打線をノーヒットノーランに抑えながら、味方の援護なく"幻の快挙"となった金子千尋投手(30)の快投。
それを目のあたりにした巨人軍関係者は、思わずホンネを漏らした。

実は、今オフにFA権を取得する金子は「今年のFA戦線の超目玉」として、各球団が虎視眈々と獲得を狙っている大物選手だ。
この日の投球は、彼の実力をセ・リーグの前年度王者に見せつける形となった。
「金子は昨年の契約更改時、球団の複数年提示に対して、単年契約にこだわりました。年俸は、前年度よりも8000万円アップの2億円でした。今季フル出場という条件は付くものの、今オフのFA権取得と行使を前提にした契約でしょう」(オリックス担当記者)

野球評論家の橋本清氏も、次のように分析する。
「金子のオリックス残留は考えられない。オファーを出す複数球団の話を聞いてから、じっくりと結論を出すことになるはずです」

現行のFA制度で他球団に移籍する場合、その選手の年俸により、移籍先の球団は前所属球団に対して金銭もしくは選手での補償が必要になってくる。

具体的には、当該選手が前所属球団の日本人選手の中で年俸上位3位(Aランク)までなら年俸の80%の金銭または人的補償プラス同50%、4位から10位まで(Bランク)なら年俸の60%または人的補償プラス同40%を補償する取り決めがある。それ以下(Cランク)であれば、人的、金銭ともに補償の必要はない。

昨年、広島からFAで巨人に移籍した大竹寛(31)。
広島におけるAランク選手13年度年俸1億円)だった大竹と巨人が3年5億円の大型契約を結ぶ一方、広島は人的補償を活用し、一岡竜司(23)を獲得している。

つまり、金子のようなAクラスの選手をFAで獲得しようとした場合、球団はかなりの"出費"を強いられることは確実だ。
「FA選手獲得に乗り出すかどうかは、補強ポイントがどこかなど、チーム事情にもよります。ただ、その前提として金銭的に余裕のある球団に絞られます」(スポーツ紙デスク)

現在、金子獲得に興味を示している球団の中で最有力なのが巨人。
「昨年の話ですが、実は、巨人のフロントは当初、FAでの大竹、片岡治大獲りに積極的ではありませんでした。業を煮やした原監督が、フロントを強引に説き伏せて獲得にこぎつけたという経緯があります。今年は菅野智之以外の先発がピリッとしない。フロントも含め、是が非でも金子が欲しいようです」(前同)

かつて巨人は、4番候補として西武の"おかわり君"こと中村剛也(30)の獲得を狙っていたという。
「西武は今オフにFA権を得る中村の流出を阻止するため、昨年オフに4年20億の複数年契約を結んで囲い込み、実現しませんでした。そこで巨人は、アンダーソンやセペダの外国人選手で打線を補強したんです。今は投手陣の再建が急務でしょう」(在京球団関係者)

FA選手を獲得する場合は、3年後の「次期FA権」を縛る意味でも4年契約を結ぶケースが多い。

現在、年俸2億円の金子を獲得するには、アップ分を含め10億円以上の資金が必要となる。
これだけの高額年俸を払えるのは、巨人以外では阪神かソフトバンクぐらいのもの。
だが、巨人が警戒するのは"新たなライバル"だと言う。
「メジャーです。田中将大やダルビッシュ有の活躍で、メジャーにおける日本人投手の株はグーンと上がっている。今のところメジャーには気のない素ぶりをしている金子ですが、実際にオファーがあれば、どうなるかわかりませんよ」(前出・橋本氏)

その金子に次ぐ"FAの目玉"と目されているのが、オリックスの同僚・平野佳寿(30)だ。

絶対的守護神としてマウンドに上がる平野も、昨オフに球団からの複数年契約の提示を断っている。
「金子もそうですが、今年はオリックスの優勝に大きく貢献して、それを手みやげに、オフに出て行くと言うシナリオを思い描いていると思います」(前同)

平野の移籍先候補としては、抑えが不調の阪神や横浜、ヤクルトに加え、巨人の名前も聞こえる。
だが、「巨人には同一球団からFAで2人は獲らないという不文律がある」(巨人球団関係者)ため、金子を獲得すれば、平野の移籍はない、というのが大方の予想だ。
「でもね、今オフはわかりませんよ。FAの先発の目玉と抑えの目玉が、同一球団で同時にFA権を獲得するというケースが今までなかっただけ。抑えのマシソンが今年不安定なだけに、金子と平野をダブルで獲りにいく可能性は十二分にあります」(前出・デスク)

セ・リーグでは、阪神のエース・能見篤史(36)がF A権を取得する。
「球団は早くも引き留め工作に入り、本人も"もう少し若ければ……"と残留を匂わせていますが、本心はわからない。ハッキリと残留を明言しないため、球団との駆け引きなのか、意中のチームがあるのか、臆測が飛び交っています」(阪神球団関係者)

捕手不足で売り手市場の炭谷

ロッテの左腕・成瀬善久(28)の動向も注目を集めている。横浜高出身の成瀬には、地元のDeNAや阪神など、複数球団が興味を示していると言われるが、本人の希望は巨人入りだという。
「成瀬は5月23日の巨人戦で好投しましたが、異様に気合いが入っていて無言のアピールのようでした。ただ、今年はいい時と悪い時にムラがある。そこを改善しないとなかなか手を挙げづらいでしょう……」(民放スポーツ局記者)

とはいえ、確実に1年間のローテーションを守れるサウスポーは貴重。仮に巨人が金子獲りに失敗した場合は、成瀬にターゲットを変える可能性も高い。

中日の山井大介(36)も今オフにFA権を取得する。
07年日本シリーズ最終戦、あと一歩で完全試合達成の9回に交代した悲劇の投手は、ローテーションの一角として活躍し続けている。
「36歳の年齢が気になりますが、故障の経験はないし、試合を作る安定感がアピールポイント。6000万円(Bランク)と、それほど高くなく、先発が駒不足のチームにはもってこい」

中日の引き留めが予想されるが、値段設定が"おトク"なため、複数チームが名乗りを上げるのでは、とささやかれている。

例年、FA戦線では各チームが投手を巡り火花を散らすが、"隠れた需要"が多いのが捕手だ。
「阿部の"劣化"に悩む巨人、正捕手が"人材不足"中の阪神、中日、DeNA、日本ハムなど、いいキャッチャーを欲しがっている球団は多い」(前出・デスク)

今年、FA権を獲得する大物捕手は、楽天の嶋基宏(29)と西武の炭谷銀仁朗(26)の2人。だが、楽天は嶋を縛るために、すでに昨オフ「複数年契約」を交わしている。
「実は、中日はポスト谷繁元信の最有力候補として嶋に狙いを定めていたんです。岐阜県出身で中京大中京高卒と、中日にピッタリの選手。でも、複数年ですべてご破算になってしまいました」(中日関係者)

これで俄然"注目の人"になったのが炭谷。
「炭谷がこのオフにFA権を取得するのに、西武は単年契約しかしなかった。これで、炭谷の今年限りの退団は避けられないものとなっています。昨年、西武はFAでの流出を防ぐため、岸孝之、中村と複数年契約を結んでカネがかかった。炭谷が、そのワリを食った格好です」(前出・スポーツ局記者)

炭谷の獲得に名乗りを上げる球団は、どこなのか。
「昨年から阪神が狙っていましたが、ここに嶋獲得が頓挫した形の中日も参戦することが必至です。DeNAの参戦もありえます。正直、一流選手とは言いがたい炭谷ですが、今オフはまさに売り手市場。予想以上の好条件が提示されるかもしれません」(前同)

亀井は"売り時"を間違えた

捕手以外の野手に目を転じると、メジャー帰りでAランクの年俸2億円、走攻守三拍子そろった西岡剛(29)がFA権を得る。
「本人は地元大阪にこだわっているし、なにより今年は開幕直後の大ケガでチームに貢献できていない。移籍より、リベンジの気持ちのほうが強いと聞いています」(前出・阪神球団関係者)

一方、「意外な争奪戦もある」と言われるのが日本ハムの内野手・大引啓次(29)。
「現在、得点圏打率がリーグ1位、ショートの守備は堅実、しかも日本ハムというチームは基本的にFA権を行使しようとする選手を説得しないチームです。ただ、本人は今年からキャプテンを務めるなど、チームに愛着が強い。条件次第でしょうね」(デスク)

外野手に関しては、よほどのスラッガーでないかぎり"FA市場"が成立しないのが実情。
オリックスの坂口智隆(29)や、巨人の亀井義行(31)のFA権の行使は微妙だ。
「坂口は守備も打撃もいい選手なので、状況次第では名乗りを上げる球団が出るかもしれません。一方の亀井は、本音では巨人のようなプレッシャーのかかるチームが苦手なタイプ。ただ、数年前ならいざ知らず、今年はケガもした。"売り時"を間違えた気がしますね」(スポーツ局記者)

野球解説者の江本孟紀氏は言う。
「いずれにしても、FAの主役は今も昔も巨人。カネを出す球団がいい選手を集めるという形は変わらない。オリックスも、今年は金子や平野で商売できるチャンスだと喜んでいるはず。FA制度も創設当初の理念とは変質してしまったようですが、これも仕方のないことですよ」

今オフ、笑うチームはいったい、どこか――。

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