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ブラジルW杯 日本代表 大久保嘉人「あっぱれ暴君伝説」

[週刊大衆06月23日号]

5月12日、5大会連続でサッカーW杯に臨む日本代表23選手のメンバー発表記者会見で、ザッケローニ監督が16番目に「オオクボ」の名前を口にすると、報道陣から、大きなどよめきが上がった。
「大久保は昨年、キャリア最多の26得点をたたきだしてJリーグ得点王になり、今年も8得点で2位につけています。ですが、ザックジャパンには2012年2月以降、呼ばれていませんから、驚きでした」(スポーツ紙記者)

6月9日に32歳の誕生日を迎えた大久保嘉人。マジョルカ(スペイン)やヴォルフスブルク(ドイツ)といった海外クラブに在籍した経験はあるが、ゴールを量産できずに帰国。
前回W杯にも4試合すべてに先発出場したが、ゴールは0。国際Aマッチ出場56試合でも、通算わずか5ゴールだ。

記者の間では「協会幹部が"Jの選手をもっと入れろ"と圧力をかけたんじゃないか?」とさえ、ささやかれていたという。

記者からサプライズ選出の理由を聞かれたザッケローニ監督は、「経験があり嗅覚があり、どこに行ったらチャンスがあるかをわかっている選手」と答えたが、これはW杯前哨戦となるキプロス(5月27日)とコスタリカ(6月3日)との親善試合で証明された。

サッカー評論家の後藤健生氏は、こう解説する。
「この2戦では、大久保、柿谷、大迫がトップで試されました。得点は柿谷だけでしたが、受けたボールをきちんと収め、ドリブルしてシュートを打つFW本来の動きという点では大久保が一番。本戦でも、大久保のワントップで行ってほしいと思いますよ」

15日に控えたグループリーグ(GL)初戦。
日本が初めてW杯に参加した1998年のフランス大会以降の4大会を見ると、GL初戦で敗退した延べ47か国中、決勝トーナメントに進出したのはわずか4か国。
確率で8%。これが、引き分けなら、59%(34か国中20か国)、勝利なら、実に85%(47か国中40か国)に跳ね上がる。

数字の上からも、初戦のコートジボワール戦がいかに大事かがわかるだろう。
その初戦のカギを大久保が握っていると見る関係者も少なくないのだが、一つだけ心配な点がある。
「大久保は相手選手や審判に食ってかかる"悪い癖"があり、大切な試合の最中、一発退場を受けてゲームを台無しにしないかと心配する人も少なくないんです」(サッカー専門誌記者)

確かに、大久保の"やんちゃっぷり"は有名だ。

「彼のオレ様ぶりは、セレッソ大阪に入団したルーキー時代から有名でした」
こう話すのは、大久保の元チームメイトだ。

大久保は中学から故郷・福岡を離れ、長崎県の国見中学に越境入学。
名将・小嶺忠敏監督に徹底的に鍛えられ、国見高校で2年生からレギュラーに抜擢されると、3年生の時にインターハイ、国体、高校選手権で優勝して高校三冠を達成。
鳴り物入りで01年にセレッソ大阪に入ったが、入団早々、2日連続で遅刻して、コーチや選手から大ブーイングを受けたこともある。
「FWは、わがままなオレ様タイプが多いんですが、大久保はその典型だったんです」(元チームメイト)

プロデビュー戦(対浦和)で早くもイエローカードを食らい、J初ゴールを飾った試合(対磐田)では、タックルをした相手選手に「何するんやっ!」と顔を突き出して威嚇、初レッドカード退場も記録した。
「先輩やコーチから"試合中に熱くなるな"と言われても、"これがオレのやり方ですから"と自分流を変えない。これは大久保の強みでもあるんですが、まるで"瞬間湯沸かし器"のようでしたね」(前同)

相手選手には容赦なく激しいタックルを仕掛け、ラフプレーを受けると「なんや、コラァー」と食ってかかる。
これはレフェリーにも同様で、審判の判定に文句をつけ、2試合に1回はイエロー、レッドのカードを食らう始末。
審判への暴言事件も少なくない。

プロ2年目。1点リードしていた相手チーム(京都)がリスタートを遅らせたことを主審が注意しないことに腹を立て「ボケェ!」と一喝。
これでカードを出されると「かかってこい」と怒声を浴びせて退場。

市原(現・千葉)戦では、味方が警告を受けたとき、主審に「金もろてんのか!」と暴言を吐き、一発退場。
「相手選手や審判に腹を立ててカーッとなり、むちゃなドリブルを仕掛けてチャンスを潰してしまったことも再三ありました。味方も大久保を抑えるのに苦労していたほどです」(同)

その荒々しさはJリーグにおいてだけでなく、国際試合でも発揮された。

父の命日に"サプライズ招集"

03年の東アジア選手権。
優勝をかけた韓国戦では、前半18分までに2枚の警告を受けて退場。
試合後、国見高校の先輩で浦和のGKだった都築龍太からトイレに連れ込まれ「何やってるんだ!」と、どなられたというエピソードもある。

だが、これでシュンとなる"暴君"大久保ではない。
08年、岡田ジャパンのメンバーとして南アフリカW杯出場を目指すアジア3次予選のオマーン戦に出場したときのことだ。
「後半29分に、相手ゴールキーパーと接触したとき、どさくさに紛れて蹴ったらしいんです。大久保は股間を押さえながら正当防衛をアピールしたんですが、これが一発レッド。退場後、岡田監督から"何したんや!"と聞かれ、"蹴りました"。岡田監督は"ボケェッ!"と大激怒したそうです」(サッカー専門誌記者)

やんちゃはピッチの中だけにとどまらない。
「04年の日本代表合宿の最中、大久保は6選手と合宿所を抜け出しキャバクラへ。店で大騒ぎして寿司を投げるなどしたため、居合わせた客とトラブルになり、スポーツ紙のネタになりました。これが有名な"キャバクラセブン事件"です」(スポーツ紙記者)

ここまでいくと、ある意味では"あっぱれ"だが、そんな大久保が少しずつ変わり始めたのは、子どもの存在が大きいという。

「子煩悩な大久保は、"子どもにピッチでキレる自分を見せたくない"と、ふっと吐露したことがありました。3人の子を持つ親になり、サッカーも大人になったんでしょうね」(サッカー専門誌記者)

事実、12年以降は、レッドカードを1枚ももらっていない。

サッカージャーナリストの大住良之氏も、「試合中にイライラしたりすることがなくなった」と言う。
「プレースタイルも、自分が主役のオレ様サッカーから、周りを生かすサッカーに変わってきています。コスタリカ戦ではトップでなく右サイドで先発しましたが、監督も大久保が試合中にキレることもなく、オールラウンドプレーヤーに成長したと見て起用したのだと思います」(大住氏)

昨年5月には、最愛の父親が亡くなった。
「お父さんの遺書には、"日本代表になれ空の上から見とうぞ"と書かれていたそうです。2年3か月ぶりの代表入りが決定したのは、まさにお父さんの命日でした」(専門誌記者)

大久保がコートジボワール相手にゴールを決め、その指を天に掲げる瞬間が見たい!

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