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第10回 故郷の伝統文化や日本の心を東京・世界に発信!遅咲きの"監督デビュー"で海外国際映画祭を目指す-奥秋泰男さん

2014-06-20

100年先まで残したい「超・人間カタログ」東京レジェンドNAVI


今回私は、東京から少し離れて、山梨県都留市に取材にやって来ました。
なんと!! ある映画の製作発表記者会見に潜入しちゃったのです(笑)
普段、製作発表記者会見をする側なので(笑)今回、とても新鮮でした。

その映画とは、山梨県都留市制60周年協賛事業として立ち上がった、映画「かぐらめ」。
少し聞き慣れない言葉だと思いますが、都留市の伝統文化である「獅子神楽」を題材にしてるんです。「神楽(かぐら)」と言う郷土の財産を残して、多くの人に知ってもらう伝承作業として開始されたので、奥秋監督をはじめ出演者の方々、そして、都留市長さんも製作発表記者会見に参加されてました。


「神楽(かぐら)」は代々、男性が世襲してきたものだそうです。しかし、この伝統文化を継ぐ男性がいなくなってしまい、家に残された女性がその神楽を継ぐというのがこの映画のお話。
「かぐらめ」の「め」は、「女」と言う意味だったんですね。
監督は、これまで、TVCMからミュージッククリップ、大手企業のプロモーション映像等、数多くの作品を手掛けてこられた奥秋泰男さん。今回の作品で監督デビューとなる奥秋監督にお話を聞いてみました。

私が興味を持ったのは、その映画のテーマが、東京と田舎を結ぶ奥秋さんの故郷・山梨県都留市の伝統文化がテーマだったからです。
子供の頃から、東京への憧れがあったと言う奥秋さんに、東京の魅力を聞いてみました。

「東京は人も文化もすばらしいと思います。でも、年を取って来て、ちょっと最近は疲れますけどね(笑)」

「どうして東京に出てきたんですか?」

「子供のころは、頻繁に東京に出てきてましたよ。基本的に私は人が好きだったんでしょうね。18歳の頃に山梨から上京して映像の世界に入りました。この頃にはもう、東京の魅力にとりつかれていましたね。とにかく情報量が多いしね。そういった環境の中で何かを表現することは、身体中に電気が走る感じがするほど刺激的で。音楽、人の演技が一体となって表れる物が"映像"ですから、それに夢中でした。」

「では、もう東京は長いんですね。今回、この映画を撮りたいと思ったきっかけは何ですか?」

「私の住む地域も今から40年程前は、春祭り、秋祭りに"獅子神楽"が神社で神々しく舞っていたんです。当時は私の父と祖父も、その神楽獅子の舞い手だったんですよ。でも、私は18歳で東京に出て来ちゃったので、神楽のことなどまったく考えもせずに、その伝統文化を受け継ぐことなく絶やしてしまったんですね。でも、父が他界して、故郷に帰った時に、はじめてその大切なことに気付かされたんです。今となっては、当時の映像も何も残ってないことにもそのとき気づきました。映像制作を生業にとしている私なら、映画と言う手法でこの伝統文化を世界に伝え、広められるんじゃないか、と思ったんです。


「素晴らしい!奥秋さんにとって、故郷の山梨と東京の違いって、どう感じますか?」

「私にとって、故郷山梨は、心のバランスを取るために必要な場所だと思ってるんです。その為に素晴らしい自然がある。私が思うに、人は"都会で咲く"と思ってるんです。人が咲くだけの"肥料"が東京にはあると思ってるんです。田舎は、花が咲く肥料はあるんですが、人は咲かないと私は思ってます。」

「なるほど……深いですね。では、奥秋さんの将来の夢って何ですか?」

「私は、映画監督としては、随分遅咲きだと思っています(笑)。年を取ったからこそ理解し、表現できる"深さ"と言うのか、人生酸いも甘いも知った感情と言うのか、そういった心の深さを監督としてこの映画で表現したいと思ってるんです。そして、やはり世界の映画祭に出品したいですね。広い世界に出ていきたいし、挑戦したいんです!」

「なるほど。具体的に映画の中身もますます気になります!」

「親子の関係を見直すきっかけになる映画を作りたいと思ってるんです。私の田舎は少子化で、あと20~30年したら人口がゼロになってしまうかも知れない。そう言った地方の社会風刺をテーマにしたいんです。そういったテーマを映画にすることで色々な人たちに見てもらえるからね。特に若い人達に見てもらいたい。伝統文化が途絶えるのを、少しでも食い止めたい。実際に行動に移せるかどうかがカギ。あとは、意識の問題だと思ってます。


映画って、本当に魅力的な芸術だと私も思っています。
今、そこにあるモノ、人を映像として記録する。
それが、国境を超えて、文化も言語も、生きてきた過程もまったく違う人達が見て感動するんです。
私も映画監督として、奥秋さんに共感するところがあります。
私が死んでも、映画は残ります。私が好きだった人、モノが映像と言う形になって永遠に残り、輝き続けるのです。
監督と言う素晴らしい仕事に就けて私も幸せだと思っています。
私事ですが、映画「東京」が第38回モントリオール世界映画祭の正式招待作品に選ばれました。
色々な人との出逢いや想いが、映画と言う芸術作品となり、国境を超えます。是非、奥秋さんにもそうした"感動"を肌で感じて頂けたら私も嬉しいです。
「神は人の心に宿る」と言う奥秋さんの言葉が好きです。日本人が持っている信仰心を大切にしたいですね。日本人の"心"を伝えたいですね。
監督として、奥秋さんは、今、世界へ飛び立ちます。



寺西一浩(てらにし かずひろ) プロフィール
1979年10月2日生まれ
3歳で、女優・山岡久乃に見初められ子役として活動。慶應義塾大学法学部卒業。慶應大学在学中に出版したエッセイ『ありがとう眞紀子さん』が話題となり文壇デビュー。
その後、24歳の時、業界最年少で芸能プロダクション、株式会社トラストミュージックエンタテインメント代表取締役に就任し島倉千代子歌手生活50周年事業を成功させる。
その後は、小説家、プロデューサーとして活躍。著書に、「クロスセンス」「新宿ミッドナイトベイビー」「女優」、世界初電子書籍連載小説「Mariko」を配信。
2011年、「女優」が映画化されるにあたり、自身が監督デビュー。
「女優」は、第15回上海国際映画祭正式招待作品に選ばれ主演・岩佐真悠子とレッドカーペットを歩く。また、第25回東京国際映画祭、東京中国映画週間特別上映作品に選ばれ開幕式でグリーンカーペットを歩き話題となる。2013年、映画「東京~ここは、硝子の街~」を監督・脚本・プロデュース(出演:中島知子、田島令子他)。日本最大級の男性ファッション&音楽イベント「東京ボーイズコレクション」を大原英嗣氏と共に主催。ゴールデンバード賞主催。2014年、「新宿ミッドナイトベイビー」が映画化決定。


【関連書籍】
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