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謝罪コメントのセンスは、プロレスに学ぶべし。

2014-06-28

プチ鹿島の連載コラム 「すべてのニュースはプロレスである」

サッカーW杯、日本は残念ながら一次リーグで敗退した。

報道を見ていると、選手のコメントで気になった言葉がひとつあった。

「自分たちのサッカーができなかった」

である。
これはいったいどういうことか。ツッコむべきなのか、どうか。

かつてプロレスラーの平田淳嗣は観客に「しょっぱい試合ですみません」と言った。

今でこそ「しょっぱい」という言葉は一般にも流通しているが、そもそもプロレス界の隠語である。相撲出身の力道山が「しょっぱい=弱い(土俵の塩にまみれる)」という相撲用語をさらにプロレス界で応用し「客を満足させないつまらない試合」という意味で「しょっぱい」を使い出した。

ファンはその用語を薄々知っていたが、レスラーがマイクアピールで「しょっぱい」を使い謝罪したことに驚いた。冗談抜きで私はプロレス史に残る事件だと思っている。絶対的な存在だったレスラーが「観客上位」を公の場で認めたからである。

ただ、このエピソードは平田淳嗣の真面目な人柄がうかがえる意味合いもあり、ファンは戸惑いながらもやさしく受け止めた。

同じ謝罪でも最悪なのが「正直、すまんかった」だ。

これは佐々木健介の言葉である。藤田和之とタイトル戦をやる前に他のレスラーに負けて王座を失った佐々木が、なんとマイクアピールで藤田に言ったのだ。この一言はファンの冷笑しか生まなかった。あらゆる意味でセンスゼロがバレバレの発言だからだ。佐々木の妻でありプロレスの天才・北斗晶なら絶対言わないだろう。

それに比べ、今回の「自分たちのサッカーができなかった」はちょっとうっとりしてる。「できなかったことが問題ではないか」というツッコミもあるだろうが、「正直、すまんかった」と言われるよりはまだ救いはあると思うのだ。

なぜならサッカーもプロレスもやっぱり選手が絶対上位の存在であるべきだから。

少しぐらいうっとりしていてほしい。やる側のセンスの無さの露呈だけは絶対見たくない。あきれたくない。安心して「下から目線」で応援したい。

だから、本田圭佑のビッグマウスについてはいろいろ言われているがプロレスファンは好ましく思っているはずだ。ああいう「自分じゅうぶん」な態度は観戦のし甲斐がある。

さて、大事なことを忘れていた。

とりあえずザッケローニには「しょっぱい試合ですみません」の言葉がほしい。

プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。
ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

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