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第11回 日産・ゴーン社長の9億9500万円の報酬は妥当なのか!?

2014-06-30

経済ジャーナリスト 須田慎一郎が徹底予想!

一口に企業、会社といっても、そこには様々な「ステークホルダー」がいる。今日の当コラムは、この「ステークホルダー」がキーワードになるのだが、この専門用語にドンピシャリはまる日本語訳がなかなか見つからない。とりあえず一般的には、“利害関係者”といささか強引に日本語に置き換えるケースが多いが、株主、従業員、経営者(役員)といったことを指す。さらに広い意味では、その企業が所在する地域の住民、というものまで含むとする見方もある。

さて、会社にとって最大の目的とは、事業(ビジネス)を営むことで利益を生み出し、その利益を前述の「ステークホルダー」に分配することにある、といっていいだろう。従って、儲けた利益をいたずらに社内に溜め込むことに、会社の目的があるわけではないのだ。

つまり、会社の存在意義とは、株主に対する配当、従業員に対する給料、経営者に対する報酬を極大化(最大化)することにあると考えてもらっていい。しかし、こうした考え方に違和感を持つ読者も多いのではないだろうか。とはいえ、それは仕方のないことだ。なぜなら、前述したような“考え方”は、あくまでも欧米的なものだからだ。ある意味で狩猟民族的な物の考え方といえるかもしれない。

これに対して日本的、農耕民族的な“考え方”は、「もしもの場合に備えて蓄えておく」ということになる。従って利益の大部分を分配するなどということはしないのだ。

こうしたことを踏まえた上で、日産自動車のカルロス・ゴーン会長兼社長が、9億9500万円の報酬を得たというニュースを考えてみると、全く違った風景が見えてくるのではないか。日産の最大株主は、フランスの自動車メーカーのルノーで、全株式の43.4%をルノーが保有している。つまり日産は、事実上、仏系企業なのだ。ルノーにとってみれば、ごく当然の報酬を支払ったということになるだろう。

今後、日本企業の国際化がどんどん進展していったならば、こうした高額報酬はごく当たり前のことになっていくはずだ。逆にそうした対応をとらない企業は、外国人投資家からそっぽを向かれてしまうだろう。

須田慎一郎(すだ しんいちろう) プロフィール
1961年、東京生まれ
経済ジャーナリスト。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経て、フリー・ジャーナリストに。「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続ける傍ら、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」、テレビ大阪「たかじん NO マネー」、ニッポン放送「あさラジ」他、テレビ、ラジオの報道番組等で活躍中。 また、平成19年から24年まで、内閣府、多重債務者対策本部有識者会議委員を務める。政界、官界、財界での豊富な人脈を基に、数々のスクープを連発している。

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