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第12回 ”ゲイ”である自分をはじめて認めてくれた寛大な街『東京』 -美容家・藤井ケインさん

2014-07-04

100年先まで残したい「超・人間カタログ」東京レジェンドNAVI

今回は、美容家であり、音楽プロデューサー、司会者であり、ゲイバー、美容室のオーナーでもある僕の友人、藤井ケインさんを徹底取材(笑)します!

「きゃ~怖いわ~徹底取材だなんて(笑)」
「ケインさん、宜しくね」
「ま~こちらこそ。いつも聞く側なのに、監督から聞かれるなんて~。今日はちょっと変な気分よね(笑)」
開口一番、場の雰囲気を和ませてくれたケインさん。
ケインさんは、10月30日に国立競技場代々木第二体育館で開催される、日本最大級の男性ファッション&音楽イベント『東京ボーイズコレクション』の司会者でもあるのだ。

「私の話はさておき、映画『東京』のモントリオール世界映画祭正式招待、おめでとうございます!」
「ありがとう。でも、今日は、ケインさんの取材なんだから、私の話はさておきはダメでしょ!?」
ケインさんは俳優として、私の映画にも出てくれたのだった。しかし、その動機が不純なのだ(笑)」
「映画に出演したら、私も世界の映画祭のレッドカーペットを歩けるって楽しみにしてたのに~、ちょうど仕事が入ってて、モントリオールに行けないのよ~。も~残念だわ~」 こんな二人の会話が永遠に続くと、取材の時間があっという間になくなっちゃうので(笑)、そろそろ本題に!」

「ケインさんが考える『東京』の魅力ってなにがありますか?」
「そうね~。人種のるつぼだと思うわね。正直、私みたいなゲイの人種の意見が、大きな声で言えるし、さらにそれが商売になる街でもあるわよね(笑)。それに、東京って世界的にも珍しい街だと思うんだけど、海外よりも東京の中にある”街”ごとに集まる人種やカルチャーがわかれてて、とっても便利だと思わない?」
「それは、具体的にどう言うこと?」
「ん~、例えば、若いタレントや芸能人を発掘したければ『原宿』とかに行けば良いし。ITや出版、権利関係の会社がたくさん集まる街といえば『六本木』のイメージかな……。あと、電化製品やアイドルカルチャーの発信地と言えば『秋葉原』とかね。」
「なるほどね~。」

「ほかにもあるでしょ? そうだなぁ~。24時間賑わってて、ゲイカルチャーやホスト、キャバクラとかなら世界有数の歓楽街としても知られる『新宿』だし。大人のショッピングを楽しみたければ『銀座』だしね~。やっぱり、これだけのカルチャーがきれいにジャンル分けされて、それぞれにまとまってる街ってなかなかないと思うのよね。世界にある色々な都市とも違うもん。もちろん、東京に比べて地方は単体ではやっていけない、っていうところもあるけどね。」
「そう言えば、ケインさんは何で東京に来たの?」
「それは、自分の意見を発信しやすい場所が東京だと思ったからよ。みんな誰でも、自分としてのメッセージを発信したがるけど、田舎ではそれが不自由だったの。子供の頃にそれを感じたわ。東京でなら『私』と言う人を素直に表現出来たし、それを認めてくれる数も圧倒的に多いからね」

ケインさんからは、映画『東京』のストーリーに関しても色々なアドバイスを頂いたのですが、本当に発想力豊かで凄いと思いました。
「ケインさんから湧き出る発想力って、一体どこから来るのかな?」
「私ね、”ミーハー”と”憧れ”が人一倍強かったのかも知れないわ。『もし私が映画監督だったら……』とか、いつも何かに憧れて生きてるから、映画のストーリーの事で助言してとか言われたら、もう本当に嬉しくて色々しゃべっちゃうの(笑)! ゲイとしての発想での提案もあるけど、自分をはじめて認めてくれた都市が東京だったから、タイトルが『東京』って言う映画にものすごく惹かれたところもあったわね~。私、田舎があまり好きじゃなかったのよ(笑)。だけど、自分を受け入れてくれて、認めてくれた『東京』に感謝したら、何故か田舎が好きになったの。自分を認めてくれる東京があって、田舎に帰っても堂々と自分を出せたら、田舎も愛せるようになったのね。あと、芸術の話をしてると、私が憧れてる人たちになれた気がして嬉しいのよ。映画のストーリーを助言なんてことはおこがましいけど、映画を作るメンバーに入れてもらえたって言うのかな~。普通じゃあ、有り得ないでしょ? そういういろんな大切なものに出逢わせてくれたり、気付かせてくれた、っていう意味でも東京には感謝してるわ。」

そんなケインさんの将来の夢を聞いてみた。
「将来の夢ねぇ~。男性のジャケットを着て、髭を生やし、マネキュア塗って、紅つけて大股で、カッポカッポ東京の街を歩いてる沢山のゲイをみたいわね(笑)」
「なにそれ?(笑)」

「恋愛も、仕事も、発想も、友人関係も、本当の意味で差別なく、世界の中でも自由になれる都市が東京だと思ってるの。宗教も超えてね。だから、私は、そこに生きていきたい」
「確かに、東京って、色々な意味で自由だよね」
「私ね、何にしても、好き嫌いや見た目、多数決で、良い悪いを決めないで欲しいってずっと思ってるのよ。反対しても良いし、賛成しても良いの。きちんと自分自身の意見を言って、自分の価値基準で相手を評価して欲しいわけ。だって、それがなきゃ、ただの『差別』になっちゃうでしょ? なんでもいったん受け入れて自分の中で消化してから、NO!ならNO!で全然良いと思うのよね。上っ面じゃなく判断して欲しいもんね」

「そう言えば、ケインさんは、本当に幅広く仕事をしてて、すごいね。本業は何?(笑)」
「滅相もない。私は、美容家でもあり音楽プロデューサーでもあり、ゲイバーや美容室もたくさん持ってるけど、私の理論を信じてくれた美容師さんがいたから美容室が増えたし、私の理論を信じてくれたゲイが増えたからゲイバーが増えただけの話よ。私の話に共感してくれた企業の偉い方が増えたから、顧問先が増えたの(笑)。田舎で暮らした幼い時の環境から受けた影響が響いてるのよね。そうだったからこそ、東京に出て来たし、はっきり物が言えるようになった。ゲイとしての視点で『東京』を見たら、また、変わった視点で色々見えると思うわ。」

「今日は、濃~~いお話(笑)、有難うございます。」
「どういたしまして。あと私、一言言っても良い?」
「何?何?」
「あのさ~。芸術なのに、映画とか、R指定とか、やめてもらいたいのよね~。セックスも愛の表現じゃない? それに対して『基準』があるところ。監督として、どう思う?」
「……。そうだね~。次会う時までに考えとくね(笑)」



寺西一浩(てらにし かずひろ) プロフィール
1979年10月2日生まれ
3歳で、女優・山岡久乃に見初められ子役として活動。慶應義塾大学法学部卒業。慶應大学在学中に出版したエッセイ『ありがとう眞紀子さん』が話題となり文壇デビュー。
その後、24歳の時、業界最年少で芸能プロダクション、株式会社トラストミュージックエンタテインメント代表取締役に就任し島倉千代子歌手生活50周年事業を成功させる。
その後は、小説家、プロデューサーとして活躍。著書に、「クロスセンス」「新宿ミッドナイトベイビー」「女優」、世界初電子書籍連載小説「Mariko」を配信。
2011年、「女優」が映画化されるにあたり、自身が監督デビュー。
「女優」は、第15回上海国際映画祭正式招待作品に選ばれ主演・岩佐真悠子とレッドカーペットを歩く。また、第25回東京国際映画祭、東京中国映画週間特別上映作品に選ばれ開幕式でグリーンカーペットを歩き話題となる。2013年、映画「東京~ここは、硝子の街~」を監督・脚本・プロデュース(出演:中島知子、田島令子他)。日本最大級の男性ファッション&音楽イベント「東京ボーイズコレクション」を大原英嗣氏と共に主催。ゴールデンバード賞主催。2014年、「新宿ミッドナイトベイビー」が映画化決定。


【関連書籍】
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