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追悼特集 あの時、みんな、股間と夢を膨らませた『エマニエル夫人』淫らな思い出 vol.1

[週刊大衆11月12日号]

女優のシルビア・クリステルさんが、オランダ・アムステルダムの病院で逝去した。享年60。

7月に脳卒中で倒れ、もともと喉頭がんや肝臓がんを患っていたこともあって、長引く闘病生活に疲れたかのように、彼女は寝ている間に静かに息を引き取ったという。
彼女が亡くなったのは10月17日の夜から18日の朝にかけて。マスコミはこぞって「エマニエル夫人逝く」と、その役名で報じた。74年に公開されたフランス映画『エマニエル夫人』は、それだけ日本の性の歴史に深い深い爪跡を残した作品だったのだ。
「現在、3年ぶりのツアー中の吉田拓郎ですが、10月22日に東京国際フォーラムで行なわれた初日のオープニングに、なんと、あの映画のテーマ曲が流れたんです。拓郎の"皆、お世話になったでしょ"というMCで、会場は盛り上がりました」(40代後半の会社員)

吉田拓郎のみならず、40代以上の男性で、彼女のお世話にならなかった人は皆無だろう。以下、様々なジャンルで活躍する人々に、『エマニエル夫人』の思い出を聞いてみた。

現在50代のスポーツ紙映画担当記者が、高校3年生だった当時を振り返る。
「映画公開の74年は、日活ロマンポルノの第1作が公開されて3年経ってましたが、まだまだ、成人映画専用の映画館で隠れてコソコソと見る時代でした。ところが、『エマニエル夫人』の大ヒットは、"健康的にオナニーしてもいい時代なんだよ"といわれてる気がして、明るい未来を感じたものです」

"明るい未来"を感じたのは男だけではない。映画評論家の秋本鉄次氏が語る。
「当時、僕は22歳でまだ学生でしたが、行きましたよ、日比谷みゆき座に……。あそこは女性向け映画館というイメージがあったんですが、そこに長蛇の列ができているというので、映画の内容より話題性に魅かれて入ったんです。そしたら、7割は女性。逆に、僕が赤面してしまいました」

評論家の小沢遼子さんも映画館へ足を運んだ一人。
「当時(37歳)、私は市会議員でしたが、美しい作品だと評判でした。お酒の席などで性的に進んだ女性の話になると、"そんなの、まるでエマニエル夫人じゃないの!"という言い方をしたくらい、流行しましたね。あの映画が刺激になって、日本も性的に開放されたと思います」

映画『エマニエル夫人』は、シルビア・クリステルさん演じる外交官夫人が、夫の赴任先のタイに行き、奔放な性生活に目覚めるというストーリー。飛行機内での濡れ場や、レズシーンなどが話題になった。
50万ドルという低予算で製作され、全世界で興行収入1億ドルを稼ぎ出すという大ヒット。そのうち、日本での興収は1600万ドル。配給会社の日本ヘラルドの社員に、10カ月分のボーナスが支給されたという逸話も残る。
「『続エマニエル夫人』(75年)が製作された際、日本の企業が億単位の出資を願い出たとか。それほど、日本でのブームは凄かったんです」(映画配給関係者)

かように、男女を問わず、みんながお世話になったシルビア・クリステルさん。
「性的な要素が強い脚本だったため、この映画のオファーを断わった女優は、相当の数に上ったそうです。最終的に、オランダ人のモデルだったシルビアさんに白羽の矢が立ちました。当時、彼女はモデルだけでは食えず、ガソリンスタンドでバイトしていたとか。1作目のギャラは6000ドルでしたが、大ヒットにより、2作目のギャラは10万ドルへ跳ね上がったんです」(前同)

現在50代後半の放送評論家・小田桐誠氏は、「映画館で観ましたね。すでにアメリカンポルノも観ていましたが、そちらは、ただやるだけ。それに比べると、『エマニエル夫人』の場合、日本人の情に訴える部分があり、それがヒットに繋がったんじゃないでしょうか」

74年にはまだ小学1年生だったという、映像作家の大谷清英氏が続ける。
「さすがに初公開には間に合いませんでしたが、小学5年生の頃から映画のチラシを集めていたので、"すごくエロい映画らしい"という認識はありました」

初めて「動くエマニエル夫人」に出会ったのは、中学生の頃だったという。
「テレビの洋画劇場で放送されたんです。まだビデオもない時代。深夜、親の目を盗んで観ていました。音を小さくして、明かりが漏れないようにテレビに布団をかけて観ていた記憶があります(笑)」(前同)

ちなみに『エマニエル夫人』は、何度かテレビで放送されている。しかし、なんといっても話題になったのは、77年に『日曜洋画劇場』(テレ朝系)で初めてテレビ放送された際。なんと、30・8%の高視聴率を叩き出したのだ。これは、同映画劇場で、83年に放送された『スーパーマン』の32・1%に次ぐ2位の記録だ。

11月11日公開のvol.2に続く・・・。

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