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果たして、プロレスはデートに向いているのか?

2014-07-12

プチ鹿島の連載コラム 「すべてのニュースはプロレスである」

フジテレビ開局55周年記念ドラマ「若者たち2014」を見ていたら、注目すべきシーンがあった。

妻夫木聡と蒼井優が演じる二人のデートシーン。仲良くなったきっかけが「共通の趣味」で、それがプロレスなのだ。

今回は「デートとプロレス」について考えてみたい。

昨年、新日本プロレスの木谷高明会長のあるインタビューが話題になった。「新日本が一時の低迷から脱却し、今や若者のデートコースにもなっている」と問われ、木谷会長は「流行らせるために“流行ってる感”を出した」と語ったのだ。 TVCMや雑誌で広告を多く出し、山手線での車体広告や駅の看板広告などにもお金をかけた、と。

実際その記事を読んだ直後に東京ドーム興行を観にいったら、私の後ろの席が20代らしきカップルだった。女が中邑真輔のクネクネした動きにウケていると男が解説し始めた。

「中邑真輔は実力派でエース級なんだけど、会社は棚橋弘至を推してるんだ。そんな現状を破るべく中邑は体をクネクネし始めたんだ」

聞こえよがしに語る男。

プロレスや格闘技会場での「解説」は、「ヤジ」と同じくらいクセモノでいろんな意味で「声が大きい」人の近くだとせっかくの観戦が台無しになってしまうこともある。たとえ内容が真実だとしても。

理想を言うなら、もしデートでプロレスに行く場合はあまり解説がいらない団体や試合を選んだほうがよい。

私が今まで見た最高のデートプロレス風景は、デスマッチが売りの「大日本プロレス」だった。

その日は「蛍光灯デスマッチ」(リングのロープに蛍光灯を取り付ける、その数200本)という試合形式で、レスラーが蛍光灯をスターウォーズのライトセーバーよろしく片手に持って叩き合いながら(!)、客席になだれ込む。みんなキャーキャーワーワー逃げ回る。ある意味お化け屋敷や遊園地のような風景。

ふと前を見ると、学生服とセーラー服の高校生カップルが手を取り合って逃げまわっていたのだ。しかしふたりは時折足を止めて恍惚としながら目前の「蛍光灯で叩きあうレスラー」に見とれていた。絶対的非日常。高校生カップルにとっては生涯忘れられない刺激的な体験だったに違いない。

では、プチ鹿島のプロレスデートのおすすめは?と聞かれたら女子プロレスを推奨したい。プロレスを初めて観る女性にとっては、同性がリングにいる風景だけでまず興味を持つ。先日嫁を女子プロレスに連れて行ったらこちらの解説もいらず、飽きることなく眺めていた。

でも最後に言います。ここまで書いてきたが、私のいちばん好きなプロレス観戦の仕方はデートではなく一人で観ること。

集中して試合を観るのもよし、試合を観てるふうでじつはボンヤリ他のことを考えるのもよし。むしろ楽しめるのは後者。これは野球場でも同じだ。あえて言うが「無駄で贅沢な時間」。

プロレス会場に身を任せてポカ~ンと漂う。息苦しいご時世には、こういう時間や場所は必要だと思うのです。

プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。
ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

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