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【感じやすい人達】 3/4話

2014-08-26

岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー

霊感があるなんて嘘をついて、怖いことになったという彼女は、同じようなことをした昔の同級生の話をしてくれた。

「卒業してみんな同じ中学に進んだけど、あのときの怖い話はやはり誰もしなかったし、噂にもなりませんでした。L美は霊感少女で目立とうとするのをあきらめて、なんともまぁ下品な言い方ですが、ヤリマン路線に切り替えました。

私達が中学、高校の頃はまだ携帯もネットもなかったけど、L美はテレクラってのを使って、オッサン相手にいわゆる援交をしてたんです。
秋になってもまだ夏服を着て、わざと黒いブラジャーや真っ赤なキャミとか下に着て透かせて見せて、男子生徒も男の先生も、L美にエロい感情を持つっていうよりドン引いてましたね。今から思えば、それこそ色情霊にでも憑かれてたんじゃないかな。

L美とは高校は別々になって、その後はまったく会わなくなりました。風俗やったり愛人やったり、結婚と離婚を繰り返したりといったその後を送ったそうです。そうして、愛人だか客だかわかんない男につきまとわれて、殺されたんですよ。

その男も、焼身自殺したと聞きました。そうです、あのとき教室で本物の霊感少女J子が見た情景が、そっくり繰り返されたんです。

ちなみにJ子はOLになって見合い結婚して、平凡で幸せな奥さんになったみたいですよ。たぶん今も霊感あると思いますが、まったくそれは封印してるみたい」

その話を聞いているうちに、世代も出身地も違うし同じ学校になど行っていたはずがないのに、私もその教室にいた記憶がよみがえりそうになるのだ。窓から焼けただれた顔の男がのぞき込んでいたなんて、要らない記憶まで付け足されて。


岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

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