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美人怪談師 真夏の恐怖夜話 第3夜



これは大阪の某有名怪談師に聞いた話です。



いまから数年前のこと、京都に住むA君とB君は真夜中に、とある廃病院へ肝試しにいくことになりました。
病院内はお決まりの血のついたカルテや壊れた注射器が散々しカーカス状態(編集部注※レイ嬢いわく、廃墟の雑然とした状態のこと)でした。
わりと広い病院で、懐中電灯で暗闇を照らしながら進んでいくと、診察台や手術室に霊安室もありました。

ひと通り見物したあと、A君が外に出てタバコを吸おうといい出すとB君が、
「やばい!中にタバコを落としたわ!!」
といいます。A君は
「もうええやん」
と思ったけど、B君は
「取りに行くわ!」
といってさっさと中に消えていってしまいました。

「え、怖くないん(笑)」
と、A君はちょっとビビったけれど、もう時間差がついてしまったから中に追いかけていくのも怖くなって、1人その場で待つことにしました。

B君はなかなか戻りません。
A君はとうとう心配になってきました。

どうすることもできずにその場で待っていましたが、30分近くも経っていたのでいい加減まずいなぁ、引き返して警察にでも通報しようか、と思い始めました。
すると人気の全くなかった道路の遠くの方に、車のランプが見えます。
よく見るとタクシーでした。屋根のランプは消えていたので人が乗っているのはわかったけれど、A君は怖い思いからタクシーに駆け寄っていきました。
するとタクシーは目の前に止まり、中から人が降りてきます。
なんとB君のお母さんでした。

え? と思っていると、お母さんも驚いた顔をしています。
お母さんの話によると、B君は帰りが遅いことなどザラで普段なら心配などしないはずなのに、なぜか胸騒ぎがしたといい、さらにそこへ電話が鳴ったのだといいます。
出ると、だれとも名乗らない男の声で"B君が●●病院にいるので、すぐに来てください"とだけ告げられ、切れました。
お母さんは不安な気持ちでタクシーに飛び乗り、運転手に行先を告げました。
タクシーの運転手は「そこはやってないですよ。廃病院です」といいましたが、とりあえず向かうことにしたのだそうです。

A君は電話をしていないので不思議に思いましたが、素直に事情を説明し、タクシーの運転手さんも一緒に3人で廃病院に入っていきました。
みんなでB君の名を呼びますが、中からは物音ひとつかえってきません。ひと部屋ずつ見て回っていき、奥の手術室にきて3人は言葉を失いました。
なんとB君はその部屋の手術台の上に横たわっていたのです。

そして彼は両目を大きく見開き、固まったまま死んでいました……。



もちろん警察がきて念入りに調査されましたが、B君の死因はわからなかったといいます。
当時の京都新聞の死亡欄にB君の名前があります。
死因は依然として不明のままです。


宍戸(ししど)レイ プロフィール
怪談作家にして女優、モデル、ダンサーとして活躍。英語とスウェーデン語の通訳もこなす才女。2009年「幽」第一回怪談実話コンテスト優秀賞受賞。ホラー、オカルト、スプラッター、デスメタルなどが好き。

ホームページ■http://www.shishidorei.com
Twitter■@shishidorei1

美人怪談師 真夏の恐怖夜話 第3夜

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