関西に生息するアヤシくてオモロい人たちに、大阪出身・京都在住の人気ライター・吉村智樹が直撃インタビュー!
■エンジニアが知人の一言から動物園を専門に撮る写真家に!
兵庫県を拠点に活動する阪田真一さん(46)の肩書は「動物園写真家」。動物園や水族館など、野生ではない生き物の表情や日常の光景を撮り、各園の試みなどを取材して伝えている。週に一度、ツイッターにアップする動物たちの画像は「表情が味わい深い」「クスッと笑える」と大好評。多くのファンを抱えているのだ。
「撮影のときは、一つの動物園に開園から閉園まで、ずっといます。同じ動物でも、時間を空けて何度か撮るようにしているんです。そうすることで“動物の生活”を、よりいっそう切り取ることができますから」
日夜、全国の動物園を駆けめぐる彼。しかしながら、当初は、そこまで動物園に思い入れがあるわけではなかった。
「以前はIT企業で働くインフラエンジニアでした。カメラが趣味で、余暇に街中のスナップや花など漠然と、なんでも撮っていたんです。そうして40歳を迎えて“プロになりたい”と思うようになった。知人に相談したところ、“野生動物を撮影する写真家が多いのだから、君は肩書に『園』を入れて、動物園写真家として活動してはどうか”とアドバイスを受けまして」
知人の勧めで始めた「動物園写真家」。しかし、撮影を繰り返すうちに次第に、「動物園の魅力を、もっと多くの人に伝えたい」という思いが湧いてきた。
「天王寺動物園にメガネグマの老夫婦がいて、ときどき、人間の夫婦げんかのようなやりとりをするんです。まるで、遅く帰宅した夫を妻が責めているような。その様子がおかしくて。そういったユーモラスな光景を正面から撮れるのは、動物園ならではだなと感じました」