■綾瀬と成宮にとってはドラマデビュー作だった
「とりわけスゴいのは、第4・5話の『黒死蝶殺人事件』と第7話の『魔犬の森の殺人』です。前者は芸能界を引退するまで売れっ子だった成宮寛貴(39)にとってのドラマデビュー作、後者は、あの綾瀬はるか(36)の女優デビュー作なんです。2人とも、さすがに現在に比べるとつたないながらも、存在感がありました。
ちなみに成宮は14年放送のHey!Say!JUMPの山田涼介(28)版金田一では“殺人コーディネーター地獄の傀儡師・高遠遥一”を好演し、金田一と何度も対決しました」
『黒死蝶殺人事件』は、異常なまでに蝶を愛する斑目紫紋(まだらめ・しもん/ムッシュかまやつ)の邸宅「蝶屋敷」で斑目家の人間が次々と殺害されていく惨劇を描いた作品。
詳細は伏せるが、原作では女性だった斑目家の次女・揚羽を男性の成宮に変更し、性格をヘタレ気味にしたことで紫紋の異常性が際立ったほか、ラストシーンでは成宮に大きな見せ場があった。多くの理不尽を「宿命」と逃げてきた揚羽が「俺は関係ないかもしれないけど……でも、これ以上人が死ぬのはもう見たくないんだよ!」と話す金田一に感化され、男を見せるのだ。
「さらに原作で33歳の男性だったカメラマンの六波羅和馬(ろくはら・かずま)を21歳の女性カメラマン・舞子に変更して、成宮との恋愛ドラマも追加される優遇ぶりでした。
そんな舞子を演じていたのは、やはり現在は人気女優の佐藤仁美(42)です」
次に、『魔犬の森の殺人』だ。
綾瀬が演じたのは、医大生の二ノ宮朋子。廃墟となった研究所で合宿をしていた医大生らと、野犬から逃げてきた金田一らミス研メンバーが「謎の番犬ケルベロス」に次々と襲撃される惨劇を描いたドラマ。凶暴な野犬から逃げる様子を「犬目線のカメラワーク」で表現しており、ホラー描写も光る回となっている。