戦火は“対岸の火事”と思うなかれ!懐への打撃どころか、命の危険も。生き残るための“備え”をリサーチ!
収束の兆しが見えないウクライナ情勢だが、日本人にも無関係とは言えない事態が迫っている。
「数週間以内にロシアとウクライナの間で停戦合意が実現しなければ、今年の秋口には世界が深刻な食糧危機に陥る危険があります」
こう話すのは、経済評論家の杉村富生氏。というのも、ウクライナは小麦・大麦・ライ麦などの穀物の世界シェアで2割前後を占める、世界の穀物庫だからだ。
「戦場となった黒海沿岸からの穀物輸出は、事実上ストップ。このままでは、新たに作付けができず、この秋の収穫はゼロ。極端な小麦不足から、世界的に穀物の奪い合いが始まるとみられています」(通信社記者)
ロシアを含めると、その世界シェアは3割に達するが、争奪戦が起こるのは穀物だけではない。
「ロシアとウクライナはヒマワリの種の一大産地。種は搾って食用油として使われますが、原材料のヒマワリが不足すると、他の食用油の原料である菜種などの価格にも影響を及ぼします」(前出の杉村氏)
さらに、経済評論家の加谷珪一氏が、こう続ける。
「小麦価格が上がって供給量が減ると、代替品の大豆やトウモロコシの価格も上がります。これによって最も影響を受けるのが、トウモロコシを飼料とする畜産業。豚肉や鶏肉の価格上昇も懸念されます」
アジアでは早くも影響が出始めている。タイでは飼料高騰の影響で豚肉が値上がりし、代わりにワニ肉を使うレストランが増えているという。
つまり、穀物不足の影響は農産物・畜産物・水産物と、我々の家計に打撃を与える事態をもたらすというわけだ。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻前から続く原油価格高騰などが影響し、“第3次オイルショック”の危機も叫ばれている。
原油価格の高騰となると、食料品だけでなく、あらゆる日用品にその影響は及ぶ。
「スーパーの店頭から食料品や日用品が一気に消えてなくなる……なんて事態も考えられます」(杉村氏)