■『行列』が「劇薬・渡部建」を番組に投入したいワケ

 制作会社ディレクターは話す。

「1日の『行列』内でシルエットを出し、東野さんが“これ渡部”と名前を出したのも上手いですよね。もちろん東野さんはアドリブで言ったのかもしれませんが、T氏はすべて計算ずくでそういうことをやらせる人でもあります。東野さんに渡部さんの名前を言ってもらうことで渡部さんの登場を示唆し、視聴者の反応を見た可能性もあるでしょう。

 T氏はそういったことをすべて計算でできる“視聴率の鬼”。総合演出を担当した『24時間テレビ』は高視聴率を叩き出し、マンネリ化が指摘されていた大晦日の恒例特番・ダウンタウンの『笑ってはいけない』の視聴率も改善させましたからね。だからこそ執行役員にまで上り詰めているわけです」

 しかし、渡部が『行列』に復帰することに、スポンサーは難色を示すのは間違いないだろう。

「スポンサーサイドを説得する必要があるでしょうね。ただ、そうまでして渡部さんを番組に出したい理由もあるんです。というのも、『行列』はこのところ視聴率の低迷が著しいんです」(前同)

 5月1日の世帯視聴率は7.2%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、テレビ各局が重視する13~49歳のコア視聴率は3.7%だった。

「前番組の『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の世帯が10.6%、コアが7.4%ですから、『イッテQ!』から『行列』に切り替わるとコア視聴率はなんと半減までしてしまうんです。さらに同日、フジテレビ系の『千鳥の鬼レンチャン』3時間SPのコアは5.8%でしたから、フジの番組にも負けているんです。

笑点』から『真相報道バンキシャ!』、『ザ!鉄腕!DASH!!(鉄腕ダッシュ)』、『イッテQ!』、そして『行列』と続く“日曜の日テレ”は盤石だと言われてきました。しかし、ここ数年は『行列』がその勢いを止めてしまっている。『イッテQ!』から『行列』に切り替わるタイミングで、相当数の視聴者が日テレを離れてしまうということですよね」(同)

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