朝倉康心(撮影・弦巻勝)
朝倉康心(撮影・弦巻勝)

 麻雀プロになってから4年以上たちますが、自分の麻雀人生で一番のターニングポイントは、アマチュア時代に『天鳳位』を獲得したことですね。これは国内最大級のネット麻雀『天鳳』の最高段位で、その初代になることができたんです。麻雀は大学4年生のときから始めたんですが、その1年後くらいにのめり込んだのが天鳳でした。勉強そっちのけで、起きている時間は麻雀のことばかり。そんな生活を送っているうちに、結局、大学は8年間通うことになりました(笑)。

 ネット麻雀の利点は、対局の流れを記録した牌譜を簡単に確認できることや、自分が打っていない卓を観戦できること。麻雀を勉強しやすい環境が整っていて、努力すれば早く強くなれる可能性が高い。実際、僕が初代天鳳位になれたのは2010年、麻雀歴3年くらいのときでした。

 もともと麻雀で食べていきたいと考えていましたが、麻雀界でも評価が高い天鳳位という肩書を得たことで、戦術本の出版や麻雀番組のネット配信など、実質、麻雀プロのような仕事をいただけるようになりました。2016年には史上初の2度目の天鳳位(第11代)を獲得し、さらに活動の範囲が広がっていきました。

 ただ、次第に「この立場だからできることはやり終えたし、新しいフィールドで挑戦したい」という気持ちも芽生えてきたんですよね。ちょうどその時期に、麻雀プロ団体『最高位戦日本プロ麻雀協会』の代表の新津潔さんから声をかけていただき、2018年からプロとしての生活をスタートさせました。

 最高位戦にはAからDまでのリーグがありますが、僕は実績を評価していただき、B1リーグから参戦させていただきました。無我夢中で打ち続けた結果、1位になれて、1期でAリーグ昇格を決めることができました。さらに、同年10月にプロリーグのMリーグが立ち上がるときには、幸運にも『U-NEXT Pirates』からドラフト2位指名を受け、Mリーガーの1人にもなれました。

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