5月13日に公開されてから17日間で興行収入27億円を突破し、『シン・ウルトラマン』は早くも今年最大の話題作となっている。
公開前は2016年の『シン・ゴジラ』で絶大な支持を得た樋口真嗣監督、総監修が庵野秀明というタッグであることや、斎藤工(40)、長澤まさみ(34)、西島秀俊(51)ら“禍特対”メンバーの俳優に注目が集まっていた『シン・ウルトラマン』。
しかし、公開後に評価が高まったのは意外な役。中盤のメインの敵で“外星人第0号メフィラス”を演じた山本耕史(45)の怪演ぶりに、絶大な支持が集まっているという。
「山本さんが演じたメフィラスは、1966年にテレビ放映された初代『ウルトラマン』でも人気の高いキャラでしたが、クレジットでもメインより少し下の扱いで、パンフレットにインタビューも掲載されておらず、ダークホース的な存在でした。地球の文化に完全に馴染んでいて、コミュニケーション能力もバツグンのキャラでしたが、山本の演技力もあいまって、一目見て人間じゃないという気味悪さが伝わって、主役を食う圧倒的な存在感でした」(特撮ライター)
とりわけ「○○、私の好きな言葉です」という使い勝手のいいフレーズは「メフィラス構文」として、SNS上で大流行。
また、居酒屋で交渉が決裂した際は、自分だけ露骨に飲み食いしているにもかかわらず、「割り勘でいいかな、ウルトラマン」と、ちょっとした嫌がらせとも受け取れる提案をするシーンなど、名シーンは挙げればキリがない。
ちなみに居酒屋のシーンは『浅草一文 本店』で行われたが、斎藤と山本が座ったカウンター席を目当てに、連日ファンが“聖地巡礼”に押し寄せているそうだ。
「正直こんなにメフィラスを話題にしてもらえると思っていなかった。今、大河ドラマ(『鎌倉殿の13人』)の撮影もやっていますが、現場の人も『みんな観たよ』と言ってくれるんです。(『鎌倉殿の13人』脚本の)三谷幸喜さんも『シン・ウルトラマン観た。メフィラス最高』と言ってくださいました。喜んでいただけているのは嬉しいですね」
「コロナ禍などいろいろな事情もあって、2022年に一気に作品が集中したという巡り合わせもあると思いますが、『シン・ウルトラマン』など、これだけ大きな作品に参加させていただけたというのはありがたいですよね」
と、山本は5月31日の『シネマトゥデイ』インタビューで話している。