■土屋太鳳の評価も上昇

 どんな苦難も助け合って乗り越えようとする、“さとけんた夫婦”は、今期ドラマのベストカップルだろう。土屋は主演ドラマの惨敗など、俳優としてくすぶり気味だったが、佐都を演じたことで評価はうなぎ登り。これまでよく言われていた、“あざとい”などの悪評は聞こえてこない。これは、夫婦の関係をうまくナチュラルに見せている、松下の功績が大きいだろう。

 残るは2回で、最終章の幕が開ける。今回のラストで明人が車椅子で登場し、不敵な笑みを浮かべたが、まるで闇落ちしたような姿で、バックに危険な力を持つ協力者でもいそうな雰囲気だ。また、次回予告では、佐登が健太に別れを告げるシーンも見られた。

 男子の誕生しか認めない、深山家の古い慣習との戦いを軸にしつつ、明人夫婦との対決でクライマックスを迎えそうだ。現在連載中の原作は、深山家の長女・聖花夫婦の登場でドロドロの状況を迎えているが、2回分で収まりそうにないので、ドラマはオリジナルの展開になるだろう。

 原作ありのドラマは、オリジナル展開が厳しい評価を受けることがあるが、ツイッター上の反応からすると、本作には批判的な声はほとんどない。原作よりも早く結末を見届けることになるが、オリジナルの盛り上がりと、佐登と健太の決断に期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)

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