神宮寺勇太(24)主演のドラマ『受付のジョー』(日本テレビ系)は、広告代理店に勤務する入社3年目の優秀な営業マンが、自社の受付を完全デジタル化し社内の効率化を達成するために奮闘する物語だった。受付チームは解散になったが、仕事に誇りとプライドを持っていることで、新しい未来を見せてくれたすてきなドラマだった。
■完全デジタル化という魔物との闘いが決着
城(神宮寺勇太)は、受付フロアの改革と完全デジタル化を提案し、3か月の猶予をもらったことで、自ら受付業務を経験する。そこにはホスピタリティにあふれ、美しい所作や細やかな気遣いは人間にしかできないことがあると痛感し、デジタル化に疑問を持つことになる。受付の仕事は誰にでも簡単にできると思われがちだが、最適かつ最高の仕事をする『受付のプロ』であり、自分の仕事に誇りとプライドを持って、業務に従事していたからだ。
最終的に受付フロアは変わり、受付チームも解散することになる。だが、正社員として再雇用してくれる条件を受け入れず、それぞれが持っていた仕事への誇りとスキルを活かした仕事へ転職して活躍するという未来は、とても明るく希望のあるラストだった。デジタルと人間、正社員と派遣社員の格差、男性と女性の差別的な立場の違いなど、日本の社会的な問題も根底にはあって、とても月曜深夜のドラマ枠ではもったいないと感じた内容とクオリティのドラマだった。