■注目のベスト3は!

 続く第3位は、氷見うどん(富山県)が選ばれた。前述の稲庭うどん、ぶっかけうどんを抑えての躍進。それには、こんな理由が。

「他のブランドに比べて少し知名度は劣りますが、味のポテンシャルは同等か、それ以上。特に、伝統の手延べ製法で作られた麺が絶品で、ほどよいコシと、滑らかな喉越しが楽しめます。氷見の麺ツユは上品な味わいなので、暑い夏には、よりおいしく感じることでしょう」(前出の田沢氏)

 そして、強力なうどん勢を抑えて第2位に輝いたのは、スダチそうめん(徳島県)だ。

 徳島県出身の椿氏に、その魅力を教えてもらった。

「徳島の人はスダチが大好き。そうめんに限らず、さまざまな料理の薬味に用います。スダチを合わせるなら、徳島ブランドの“半田そうめん”がオススメです。一般的なそうめんよりも太く、食べ応えが抜群。スダチの爽やかな香りも相まって、とても高級感のあるそうめん料理になりますよ」

 店だけでなく、食卓でも気軽に味わうために、おいしいそうめんを作るコツも併せて紹介しよう。

「茹で終わった後、流水で締める際に、しっかりと麺表面のぬめりを洗い流しましょう。歯触りや喉越しが格段に良くなりますよ。スダチを加える際は、果汁だけでなく、おろし金ですった果皮を加えると、より風味が増します」(前同)

 そしてJTMCの白熱した議論の末、堂々の第1位に選ばれたのは、冷やしラーメン(山形県)だ。有識者のうち2名が推した、冷やし麺の王者である。

「1932年創業の老舗『栄屋』が考案した、冷たいしょうゆラーメンです。キュウリや氷が具に乗って、清涼感も抜群。スープはあっさりながらも、植物油を加えてコクを出しており、食後の満足感も高い。

 盆地ゆえに暑い夏を迎える、山形ならではの絶品グルメです」(前出の遠藤氏)

 知名度は、今や全国区。さまざまな場所で食べられる点も、魅力の一つだ。

「最近はコンビニ商品でも販売されているので、気軽に楽しめます。ちなみに、お隣の福島県の喜多方ラーメンにも、ここ10年ほどで、冷やしラーメンが登場。さらなる味の広がりを見せているジャンルなので、ご賞味あれ」(田沢氏)

 この夏は、清涼な冷やし麺で英気を養ってもらいたい!

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